[ワシントン 28日 ロイター] – 米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は28日、国内の新型コロナウイルス感染拡大状況について、フロリダ州やカリフォルニア州などこのところ感染が急拡大した一部の州ではピークを付けつつあるとしながらも、他の地域は感染拡大の瀬戸際にある可能性があると警告した。 

米国では今月に入り、フロリダ州、カリフォルニア州、テキサス州、アリゾナ州などで感染が急拡大。一旦緩和された感染拡大抑制措置を再び導入せざるを得なくなった。 

ファウチ所長はABCのテレビ番組「グッド・モーニング・アメリカ」で、感染が急拡大したサンベルト地帯と呼ばれる南部地域について、「ピークを付け、その後は収束していく可能性がある」と述べた。 

一方、オハイオ州、インディアナ州、テネシー州、ケンタッキー州などで新型ウイルス検査の陽性率が上昇する「極めて初期の兆し」が出ているとし、「これは警戒すべき明らかな兆候だ」と述べた。 

その上で、陽性率が上昇している州では感染の急拡大を防ぐために迅速に行動を起こす必要があると指摘。その他の州では、経済活動の再開は政府のガイドラインに従い慎重に実施する必要があるとの考えを示した。 

ロイターの集計によると、米国の新型ウイルス感染による死者は28日時点で14万8446人。感染者は累計で430万人を超えた。 

フロリダ州ではこの日、過去24時間で確認された新型コロナウイルス感染症による死者が191人と、1人当たりの死者数として過去最悪になった。 

テキサス州では感染者の累計が40万人を超えた。感染者数が40万人を超えるのはカリフォルニア州、フロリダ州、ニューヨーク州に続いて4州目。 

フロリダ州に隣接するジョージア州ではこの日、54人の死亡が確認された。感染者数は累計で17万5000人を超えている。 

ニューヨーク州のクオモ知事はこの日、イリノイ州、ケンタッキー州、ミネソタ州、首都ワシントンDC(コロンビア特別区)、自治領プエルトリコからニューヨーク州を訪問する人に対しても、14日間の自主隔離を義務付けると発表した。ニューヨーク州はこれまでに31州からの訪問者に自主隔離を義務付けている。