[ワシントン/ニューヨーク 31日 ロイター] – 米ホワイトハウスが、中国・北京字節跳動科技(バイトダンス)に対し、傘下の短編動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の米国部門の分離を求める準備を進めており、マイクロソフトなど複数の企業が部門取得を巡り交渉中であることが、匿名の関係者の話で分かった。 

部門分離がどのように行われるのか、バイトダンスがTikTokの米国以外の部門をどのようにするのかなどは明らかになっていない。TikTokを巡る計画は早ければ31日中に発表される可能性があるという。 

関係者の1人によると、マイクロソフトはTikTok取得を検討している企業の1社で、交流サイトではすでにビジネス向けの「リンクトイン」を保有しているものの、フェイスブックなど直接的な競合他社よりはTikTok取得を巡る規制上のハードルが低いという。 

ムニューシン財務長官は29日、TikTokは国家安全保障に関する調査の対象となっており、対米外国投資委員会(CFIUS)が今週中にトランプ米大統領に勧告すると述べていた。 

バイトダンス、マイクロソフト、米財務省はコメントを控えた。TikTokは声明で「うわさや憶測にコメントしないが、TikTokの長期的な成功を確信している」とした。 

トランプ大統領はこの日、ホワイトハウスで記者団に対し「TikTokについて検討している。禁止する可能性もある。その他の措置を打ち出す可能性もある」と指摘。その上で「複数の選択肢がある。多くのことが起こっており、どうなるか様子を見たい」と語った。 

ロイターは29日、セコイア・キャピタルやジェネラル・アトランティックなど一部投資家がTikTokへの買収提案を行っていると報じた。ティックトックの価値について投資家らは約500億ドルとしているが、バイトダンス幹部の一部はそれ以上と評価しているという。 

バイトダンスは2017年に上海を拠点とする動画アプリ「ミュージカリー」を約10億ドルで買収。翌年にTikTokとしてリニューアルした。