[ニューヨーク 24日 ロイター] – ニューヨーク外為市場でドルが小幅安。行き詰っていた政権と野党民主党指導部による新型コロナウイルス経済対策を巡る協議が再開するとの期待から株価が底堅く推移し、ドルを圧迫した。

米下院歳入委員会のニール委員長は、下院の民主党トップが2兆2000億ドル規模のコロナ対策を策定しており、早ければ来週にも採決が実施される可能性があると述べた。

序盤の取引では、新規失業保険申請件数が予想を超える増加となったことを受け、株価は下落、ドルは上昇していた。

19日までの1週間の新規失業保険申請件数は前週比4000件増の87万件と、市場予想の84万件を超えて増加。政府の支援金が減少する中、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)からの経済回復が息切れしているとの見方を裏付ける結果となった。

OANDAのシニア市場アナリスト、エドワード・モヤ氏は「新規失業保険申請件数は一段の支援が必要であることを示す失望的な結果となった。回復の失速状態が長引けば、議会はさらなる圧力を感じるだろう」と述べた。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長がここ数日、追加の財政支援の必要性を訴えていることにも言及した。

一方、クラリティーFXのディレクター、アモ・サホタ氏は、コロナ対策協議の進展を巡る懐疑的な見方が根強いことを指摘し、「この日の動きはドルの小幅な一服商状にすぎない」と述べた。

この日はFRB当局者発言が相次ぎ、ボストン地区連銀のローゼングレン総裁は、米経済が最大雇用や2%のインフレ率に程遠く、低金利は数年間継続すると表明した。

終盤の取引で、ドル指数=USDは0.01%安の94.373。一時、7月24日以来の高値となる94.60に上昇する場面もあった。ユーロ/ドルEUR=EBSは小幅高の1.1664ドル。

ポンド/ドルGBP=D3も一時の下げから戻し、0.11%高。スナク英財務相は同日、コロナ感染拡大で打撃を受けた労働者に向け新たな雇用支援策を行うと発表。同時に、政府が全ての雇用を救うことはできないと言明した。

一方、スウェーデンクローナSEK=D3とノルウェークローネNOK=D3は対ドルで下落。ドルは一時、対スウェーデンクローナで7月14日以来、対ノルウェークローネでは7月1日以来の高値を付けた。

豪ドル/米ドルAUD=D3は5日続落。豪ドルは一時7月21日以来の安値に沈んだが、その後は下げ幅を縮小し、終盤の取引は0.38%安近辺で推移した。

ドル/円 
 NY終値 105.40/105.43
   始値 105.46
   高値 105.52
   安値 105.33

ユーロ/ドル 
 NY終値 1.1672/1.1676
   始値 1.1642
   高値 1.1687
   安値 1.1627