東京都は26日、481人(前日は401人)の新型コロナウイルス感染者が確認されたと発表した。重症者は60人(同54人)と5月11日以来の水準で、緊急事態宣言を解除して以降で最多。

  専門家らによるモニタリング会議では、感染状況に関する警戒レベルを4段階のうち最も深刻な「感染が拡大している」、医療提供体制は2番目の「体制強化が必要」にそれぞれ維持した。

  小池百合子知事は同会議で、都民に対して「できるだけ不要不急の外出は控えてください」と呼び掛けた。都は23区と多摩地域を対象に28日から12月17日まで酒を提供する飲食店などに午後10時までの営業時間短縮を要請する。

  政府は観光支援事業「Go Toトラベル」に関し、東京を目的地とする新規予約を停止していない。西村康稔経済再生担当相は会見で「都知事との間でさまざまな感染状況、病床の状況などを共有しながら、連携して判断していきたい」と話した。

  野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミストは「Go Toトラベル」について、「常識的に人が移動すれば感染リスクは高まる」として、政府の見解を否定。現在の感染状況で旅行を促す政策は適切ではなく、「全体的に停止するのが正しい」と指摘した。

  厚生労働省の集計によると、25日に各自治体が公表した新規感染者は1930人。

  感染が拡大する地域では、感染防止策を強化する動きが出ている。大阪府は、大阪市北区、中央区の酒類を提供する飲食店に対し、27日から12月11日まで、午後9時までの営業時間短縮を要請。愛知県も名古屋市の繁華街の一部地区を対象に、29日から20日間、午後9時までの時短営業を要請した。

  26日の東証株価指数(TOPIX)は5日続伸となり、日経平均株価は過去3日の上げ幅が1000円を超えた。新型コロナウイルスの感染再拡大の悪影響が意識されて下落して始まったが、引き続きワクチン実用化への期待もあり押し目買いが入った。