さながら伝言ゲームのように、ウイルスは感染を繰り返すうちに複製ミスを起こし、その姿を変えるのだそうです。変異した新型コロナウイルスは感染力が強くなっている可能性があるとの見方から、流通や旅行に影響が広がっています。ウイルスと闘うにはワクチンに加えて、経済対策という時間稼ぎ戦術も有効です。米国では9000億ドル(約93兆円)の追加経済対策案がようやく議会を通過する見通しとなりました。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

今夜決めよう

米上下両院は21日、新型コロナウイルス感染拡大の影響に対応する9000億ドル規模の追加経済対策案を1兆4000億ドル規模の歳出法案と共に採決する見通し。両院での通過、およびトランプ大統領の署名が見込まれている。共和党のマコネル上院院内総務は「われわれは今晩、決着するまでここにとどまるつもりだ」と語った。

冷え込みと共に

ブルームバーグがまとめる新型コロナ時代の世界で最も安全な国・地域の番付であるCOVIDレジリエンス(耐性)ランキングで、11月に2位だった日本は7位に転落。1位はニュージーランドが維持、台湾が2位に浮上した。日本や韓国などの比較的オープンなアプローチは、厳しい冬の訪れという問題を突き付けられている。

プログレ経済チーム

エリザベス・ウォーレン上院議員(民主、マサチューセッツ州)の側近をかつて務めたバーラト・ラマムルティ氏が、バイデン次期政権の国家経済会議(NEC)で金融改革・消費者保護を担当する副委員長に指名された。NEC副委員長にはオバマ政権で経済政策に携わったデービッド・ケイミン氏、経済政策担当の特別大統領補佐官にジョエル・ギャンブル氏が指名された。ラマムルティ、ギャンブル両氏は進歩的経済シンクタンクとつながりがある。

テスト合格

米株式市場で大手銀行株が軒並み上昇。米連邦準備制度理事会(FRB)が大手銀行による自社株買いの再開を承認したため、ゴールドマン・サックス・グループやJPモルガン・チェースなど各行が自社株買いの意向を示した。モルガン・スタンレーのベッツィ・グラセック氏は、ゴールドマンが「最大の勝ち組だ。トレーディング収入に支えられ、4四半期ごとで見た場合の業績は力強い」と述べた。

サプライズではない

ソーラーウインズはサイバーセキュリティー関連リスクの管理に問題があると過去に指摘され、改善策の提案を受けたが、経営幹部はそれに取り合わなかった。同社の元アドバイザーが明らかにした。「ハッキングの標的として非常に狙われやすかった」という。ソーラーウインズのソフトウエアを経由したサイバー攻撃については、背後にロシアの存在が取り沙汰されている。

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