【ワシントン時事】米司法省と連邦捜査局(FBI)は12日、大統領選の結果受け入れを拒むトランプ大統領支持者が連邦議会議事堂に乱入し、一時占拠した6日の事件について、扇動罪や共謀罪の適用を含め捜査していることを明らかにした。トランプ氏の弾劾訴追に向けた動きが議会下院で進む中、暴徒化した支持者への包囲網も狭まりつつある。

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 首都ワシントンのシャーウィン連邦検事代行は12日の記者会見で、これまでに乱入事件に絡み170件を超える捜査を進め、70人以上を刑事訴追したと発表した。その上で、訴追対象が今後「数百人規模に上るのではないか」と予想。「捜査の範囲や規模の点で、FBIはもちろん司法省にとっても前例のない事態だ」と語った。

 また、事件捜査に当たり国家安全保障や汚職問題に精通した検事らで構成する特別チームを発足させたと発表。特別チームは扇動罪や共謀罪での立件を視野に入れており、そうした重罪で有罪が確定すれば「最大で20年の禁錮刑が科されることになる」と述べた。

 乱入事件に前後し、民主、共和両党の全国委員会本部でパイプ爆弾が見つかった事件についても、当局は捜査を進めている。ただ、爆弾設置を「国内テロ」と見なすかについて、シャーウィン氏は明言を避けた。

 会見に同席したFBI幹部は、捜査当局の呼び掛けを受け、これまでに議会乱入時の動画や画像など10万点以上が寄せられたと説明。「国民の協力がなければ、われわれは任務を遂行できない」と述べ、インターネット交流サイト(SNS)をはじめ社会に出回る動画などが、乱入者特定に役立っていると強調した。