[ブリュッセル 15日 ロイター] – 欧州連合(EU)は15日、英国政府が英領北アイルランドへの輸入を巡る取り決めを一方的に変えたことが離脱協定違反だと主張し、法的手続きを始めた。

EUは英国に対して書簡を送り、「違反手続き」を開始する旨を正式に伝えた。EUの最高裁判所が英国に罰金を科すことになり得るが、最低1年間かかる可能性があり、それまでに解決する時間がある。

離脱協定では、北アイルランドは一部のEU規制に従うことになり、英本土からの一部の物品に検査が必要となった。いくつかの検査は猶予期間が切れる3月末に始まる。これにより北アイルランドのスーパーマーケットの供給網が既に混乱し、英国は猶予期間を10月1日まで延長することを一方的に決めた。EUは書簡で延長を撤回するように求めた。

対英関係を担うEU欧州委員会のシェフチョビッチ副委員長は別途、英国のフロスト内閣府担当相に書簡を送り、問題解決に向け誠意を持った交渉を今月に設けることを求めた。

英国は協定違反でないと主張している。ジョンソン英首相はこの日、猶予期間の延長は公平性を求めた技術的な対応だと指摘。議定書は英国と北アイルランド、また北アイルランドとアイルランドの国境を超えた貿易を支持するためのものだと述べた。「分別ある一時的でテクニカルな対策で達成しようとしているだけだ。ただもちろん、EUと話し合い、どこにたどり着くか見てみたい」と話した。