[ニューヨーク 18日 ロイター] – ニューヨーク外為市場では、ドルが4日続落し、主要通貨バスケットに対し2月終盤以来の安値を付けた。インフレ高進を巡る懸念が弱まり、米連邦準備理事会(FRB)が予想よりも早期に利上げに踏み出すとの観測が後退した。

ウエスタン・ウニオン・ビジネス・ソリューションズのシニア市場アナリスト、ジョー・マニンボ氏は「インフレが短期的に上昇するものの、その後数カ月で頭打ちとなり、鈍化するというFRBの見通しが市場に浸透している」と指摘。「FRBが他の中銀よりも政策正常化で遅れを取る可能性があるとの見方が広がっている」と述べた。

今週は19日に発表される米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨のほか、FRB当局者の発言に注目が集まる。

マニンボ氏は「FRBが非常にハト派的なスタンスを維持する限り、ドルの地合いは引き続き軟調となる」とした。

ドル指数は0.48%安の89.747。ユーロ/ドルは0.63%高の1.223ドルと、2月25日以来の高値を更新。ドル/円は0.25%安の108.89円。

英ポンド/ドルも上昇し、2月24日以来初めて、節目となる1.42ドルを上抜けた。英国では17日、約4カ月間にわたり実施されていた新型コロナウイルスの感染拡大を抑制するロックダウン(都市封鎖)措置が緩和された。

原油価格の値上がりを追い風に、カナダドルは6年ぶりの高値を更新した。

暗号資産(仮想通貨)のビットコインは1.9%下落し、約3カ月ぶりの安値を付けた。イーサは2.48%高の3363ドル。