[ロンドン/ワシントン 5日 ロイター] – イエレン米財務長官は5日の主要7カ国(G7)財務相会合で、新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)収束後も、自国経済の支援に向けた支出を継続するよう呼び掛けた。また、米国のインフレ率は今年高止まりするものの、一時的にすぎないとの見解を示した。

イエレン氏はロンドンで開催されたG7会合後に記者会見で、各国はパンデミックで打撃を受けた経済を「再び(回復)軌道に」乗せた後も、気候変動や不平等問題へ対応に投資する必要があると述べた。

イエレン氏の発言は財政支援に重点を置いたもので、景気回復が本格化し次第、財政の長期的な持続可能性を確保する必要性を強調したG7の共同声明とは異なるトーンとなった。

イエレン氏は「ほとんどの国には財政的な余地があり、回復を引き続き促進し、気候変動や包括的で持続可能な成長に関してわれわれが直面する長期的な課題に対処するため、財政政策を導入することが可能だ」と指摘した。

また、G7は各国共通の最低法人税率を15%以上とすることで合意したが、米国は米企業の海外収益に対する税率を最低21%とすることを引き続き目指していると表明した。

インフレ率については、2021年末ごろまで3%と高い水準で推移すると予想。その上で「一時的な要因だと個人的に確信している」と述べ、自動車など一部の産業では生産のボトルネックにより価格が上昇しているが、航空運賃などは通常の水準に戻りつつあると指摘した。

「状況を深く監視し、必要であれば対処する」とした。