[ニューヨーク 2日 ロイター] – ニューヨーク外為市場ではドルが一時3カ月ぶりの高水準を付けたものの、その後は下落に転じた。市場関係者は、6月の米雇用統計の主要な部分は堅調だったものの、詳細を見ると軟調だったことが重しになったとしている。

主要6通貨に対するドル指数は一時92.759と、3カ月ぶり高値を付けたが、午後の取引では0.3%安の92.246。独立記念日の祝日を控え、商いは細っている。

労働省発表の6月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比85万人増と、5月の58万3000人増から伸びが加速し、10カ月ぶりの大幅増となった。ただ失業率は5.9%と、5月の5.8%から悪化。市場予想は5.7%だった。

アナリストは今回の雇用統計について、全般的に力強く、正しい方向に向かっているとし、連邦準備理事会(FRB)が近くテーパリング(量的緩和の縮小)を開始する根拠になるとの見方を示している。

TDセキュリティーズはリサーチノートで「雇用統計の全般的なトーンは引き続き前向きだった。2カ月連続で失望させられたが、6月の雇用統計は米経済の回復が軌道に乗っていることを改めて示すものだった」と指摘。ドルは下落したものの、大幅な調整が入るとは予想されていないとした。

キャピタル・エコノミクスのシニア市場エコノミスト、ジョナス・ゴルターマン氏は「大きな視点から見ると、連邦公開市場委員会(FOMC)後のドルの他の主要通貨に対する上昇が、今週、拡大した」とし、「米経済指標が堅調に推移する限り、こうした動きは継続する」と述べた。

この日発表の他の経済指標では、5月の製造業新規受注が前月比1.7%増と、4月の0.1%減から力強く回復。これを受け、ドルは下げ幅を縮小する場面もあった。

ユーロは対ドルで0.1%高の1.1851ドル。ドルは対円で0.5%安の111.04円。一時は15カ月ぶり高値を付けていた。

ドル/円 
 NY終値 111.04/111.07
   始値 111.43
   高値 111.59
   安値 110.96

ユーロ/ドル 
 NY終値 1.1864/1.1866
   始値 1.1826
   高値 1.1874
   安値 1.1808