[東京 5日 ロイター] – 財務省は5日、2020年度一般会計決算で、国債償還や補正予算の財源となる純剰余金が過去最大の4兆5363億円だった、と発表した。歳入の柱となる税収が想定を超えて推移したことを受けて公債金(新規国債)は4兆円減額する。

財政法の規定では、剰余金の半分は国債償還に充てることが義務付けられ、制度上は残る2兆2000億円余りを補正予算の財源に活用することができる。衆院選を控えた与党から歳出圧力が強まるのは必至だ。剰余金の扱いは年末にかけ詰める。

歳入では、税収が昨年末の想定から5兆6966億円上振れした。日銀からの国庫納付などの税外収入や、国債利払い費など歳出の使い残しもあり、国債を減額処理しても4兆円を超える剰余金が残る。歳出の不用額は3兆8880億円だった。

新規国債は、20年度発行112兆円のうち4兆円を発行未済として処理する。新型コロナが直撃した19年度は、税収が下振れしたため減額幅が5000億円にとどまったが、第2次安倍内閣後は兆円単位の減額を続けてきた。今回の未済処理は例年の倍以上に相当する。