[7日 ロイター] – アフガニスタンのイスラム主義組織タリバンは7日、暫定政権の主要閣僚を発表した。政権トップにはタリバン創設者である故オマル師の側近アフンド師、副首相にはタリバンの政治部門トップ、バラダル師を任命した。

内相には、米国がテロ組織に指定している武装勢力「ハッカニ・ネットワーク」創設者の息子シラジュディン・ハッカニ師、国防相には故オマル師の息子ヤクーブ師が就く。

タリバンのムジャヒド報道官はカブールでの会見で、暫定内閣が組閣されたと表明。ただ一部の人選はなお継続していると述べた。

米ホワイトハウスのサキ報道官は大統領専用機エアフォース・ワン機上で記者団に対し、米政府が近くタリバン政権を承認することはないと述べた。

現時点でタリバンの最高指導者アクンザダ師が果たす役割は不明。アクンザダ師は、タリバンが先月アフガニスタンの全権を掌握してから公の場に姿を現していない。

政権トップに就くアフンド師はアクンザダ師の20年来の側近で、長らく最高会議「シュラ」を率いたほか、1996─2001年のタリバン前政権では外相と副首相を務めた。

暫定副首相に就くバラダル師は、タリバンを代表して米国と駐留軍撤収について交渉するなどしていたため、政権トップに就任しないことは意外感をもって受け止められている。

最高指導者アクンザダ師はその後、アフガニスタンが外国支配から解放されたことを祝福する声明を発表。「アフガニスタンにおける統治と生活の全ては、シャリア(イスラム法)に基づいて行われる」とした上で、イスラム法に矛盾しない限り、全ての国際法と条約を順守する姿勢を示した。