[14日 ロイター] – 米国勢調査局が14日発表した調査によると、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)対策として米政府が実施した国民への現金給付や失業給付上乗せ措置により、2020年に貧困から脱却した人が1170万人に上ることが分かった。

国勢調査局のリアナ・フォックス氏は「社会的セーフティーネットの重要性を如実に示している」と述べた。

政府による支援を考慮した指標によると、20年の貧困率は9.1%と19年の11.8%から低下した。

一方、政府支援などを含まない公式の貧困率は11.4%と19年の10.5%から6年ぶりに上昇。また、失業手当は含むがパンデミック関連の支援を含まない実質的な世帯収入の中央値は19年比2.9%減の約6万7500ドルとなった。

20年に全く働かなかった人は19年から約300万人減少。通年でフルタイムで働いた人は1370万人減少し、年間の減少数は1967年の統計開始以降で最大となった。

働く女性の収入は前年比で1.2%減少した一方、男性の収入では統計的に有意な変化は見られなかった。地域別では北東部を除く全ての地域で実質的な世帯収入の中央値が19年から大幅に減少。中西部の減少が最も大きかった。