【マニラ時事】フィリピンのドゥテルテ大統領(76)は2日、「政界からの引退を表明する」と述べ、来年5月の大統領選と同時に実施される副大統領選への出馬を撤回した。憲法違反に当たるとの批判を考慮したという。側近のゴー上院議員(47)と共にマニラ首都圏の立候補受付会場を訪れた際に明かした。

 与党PDPラバンは大統領候補にゴー氏、副大統領候補にドゥテルテ氏を指名していたが、ゴー氏が副大統領選への立候補を届け出、ドゥテルテ氏は手続きをしなかった。

 ゴー氏は「ドゥテルテ氏が出馬を撤回し、代わりに私が意志を継いで副大統領選に挑む」と説明。続いてドゥテルテ氏は、副大統領選への出馬が憲法違反と批判されたことに触れ、「国民の求めに従い、政界からの引退を表明する」と述べた。後継の大統領候補には言及しなかった。