米テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は6日のツイートで、自身が保有する同社株の10%を売却する案を示し、ツイッター上の投票で同案の賛否を問い、その結果に従うと述べた。投票は米東部時間7日午後2時15分(日本時間8日午前4時15分)すぎに締め切られ、約58%が同案に賛成した。

  同投票にはツイッターのユーザー約350万人が参加した。マスク氏が保有しているテスラ株は1億7050万株で、売却される株式は約210億ドル(約2兆3800億円)相当。同社株は4日に上場来高値を更新した後、5日は0.6%安の1222.09ドルで引けていた。

  マスク氏は投票締め切り後にツイートし、「私はどちらの結果が出ても従うつもりだった」と述べた。

ツイッター投票結果に関するマスク氏のツイート

  マスク氏はこれまでもテスラへの関心を喚起するためツイッターやフォロワーを活用してきた。世界一の富豪であるマスク氏は、租税回避のために含み益を膨らましている富裕層に関する議論を引用したツイートで、この提案を行った。

  ウェドブッシュ証券のアナリスト、ダン・アイブス氏は部内者による株式の大量売却はマイナスのシグナルと受け止められることが多いが、今回の売却規模ではテスラへの見方は大きく変わらないと指摘。テスラ株に対する機関投資家と小口投資家の需要は共になお強いとした。

  同氏は電話インタビューで、「持ち分の10%を売却すれば、恐らく1.5-2%は浮動株になるとみられる。従って際立って大きな動きにはならない。またこのようなやり方を採用したことで、打撃は緩和され、認知されやすいだろう」と語った。

  テスラの株価は今年に入って73%上昇し、5日時点の時価総額は1兆2000億ドルに達している。今回放出され得る株式は、過去3カ月でのテスラ株日次平均売買の80%相当。ストックオプションが含まれた場合、さらに多くなる。

原題:Twitter Has Spoken: Musk Should Sell $21 Billion Tesla Stake (1)