原則1割となっている75歳以上の医療費の窓口負担について、政府は年収200万円以上の人を対象にした2割への引き上げを来年10月から実施する方向で検討に入りました。

75歳以上の後期高齢者の医療費をめぐっては現在、窓口での負担が原則1割となっていますが、高齢化の進展に伴って社会保障費が伸び続ける中、現役世代の負担の上昇を抑えるためことし6月、年収200万円以上の人を対象に窓口負担を2割に引き上げる改正法が成立しました。

改正法では引き上げの開始時期について来年10月から半年以内とし、具体的な日程は今後、政令で定めるとしていましたが、政府は来年10月から引き上げる方向で検討に入りました。

来年10月から引き上げを開始した場合、来年度後半の半年分で
▽現役世代の負担をおよそ300億円
▽国や自治体の公費負担をおよそ400億円
抑制する効果が見込まれるということで、政府はこれを前提に来年度予算案の編成作業を進めています。

ただ与党内からは
▽来年夏に参議院選挙が控える中、高齢者に追加の負担を強いるのは急ぐべきではないという意見や
▽コロナ禍で相次いだ受診控えをさらに招きかねないという懸念も出ていて
政府は今後の議論の行方も踏まえ最終的に開始時期を決めることにしています。