[ヨハネスブルク 10日 ロイター] – 新型コロナウイルスの新変異株オミクロンについて、南アフリカの専門家は現時点で重症化を引き起こす兆しは見られないとの認識を示した。

ファーラ保健相は記者会見で、初期の病院のデータを基に、オミクロン株は主に軽度の症状を引き起こしているとみられるポジティブな兆候があると発言。

「入院率は上昇しているが、初期のデータによると、オミクロン株の重症度が原因ではなく、純粋に感染者数が原因とみられる」と述べた。

また、南アフリカ医学研究評議会のグレンダ・グレイ会長は、現在の入院患者はワクチンを接種していない人のほうが圧倒的に多いと指摘。ファイザーのワクチンが依然として有効だとの認識を示した。

「このワクチンは有効性を維持している。多少低下する可能性はあるが、入院に関して有効性を維持している。非常に心強い」と述べた。

南アフリカではオミクロンが猛威を振るっていることから、近いうちにファイザー製とジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)製のワクチンのブースター接種(追加接種)を実施する予定だ。

政府によると、ファイザー製ワクチンのブースター接種は2回目の接種を受けてから6カ月経過した人が可能となり、今月下旬に第1陣の人々が接種を受けられるようになる。

J&J製ワクチンのブースター接種は、既に研究調査で医療従事者への接種が可能となっているが、近いうちに一般の人々にも提供されるという。

南アフリカでは9日、新たに2万2000人超の新型コロナ感染者が報告された。オミクロン株による感染第4波期間中としては最多だが、デルタ株による感染第3波で記録した1日当たりピークの2万6000人超は依然下回っている。