[フランクフルト 20日 ロイター] – ドイツ政府は、今年末で退任するワイトマン連銀総裁の後任にヨアヒム・ナーゲル氏を起用した。

リントナー財務相が20日明らかにした。ナーゲル氏は来年1月1日付で連銀総裁に就任する。

同相は「インフレリスクを踏まえると、安定志向の金融政策の重要性が増している。ナーゲル氏は経験豊富な人物で、ドイツ連銀の継続性を確保できる」とツイッターに投稿した。

ナーゲル氏は55歳。ドイツ連銀の元理事で、与党・社会民主党とパイプがある。エコノミスト出身で、ドイツ復興金融公庫(KfW)の理事も務めた。現在は国際決済銀行(BIS)に勤めている。

ここ数年は金融政策に関する見解を公の場で表明していないが、連銀理事時代の2010─16年には、ドイツの中央銀行に特徴的なインフレに対する強硬姿勢と銀行・政府の市場規律を重視する姿勢を示していた。

独欧州経済センター(ZEW)の専門家、フリードリヒ・ハイネマン氏は「ナーゲル氏は欧州中央銀行(ECB)の討議で、ドイツ連銀の伝統を引き続き守れるだろう。金融政策と金融について広範な専門知識がある。これは、今日の複雑な金融政策の決定には不可欠なものだ」と述べた。