【新型コロナ】全米でオミクロン感染爆発、患者殺到で病院圧迫＜bloomberg日本語版＞2022年1月7日 4:23 JST

オミクロン変異株は全米で爆発的に広がっており、多くの病院ではコロナ感染の入院患者が従来の最多記録に達するか、それを上回ると見込まれている。

　　コネティカット州のイェール・ニューヘブン病院では、これまでのコロナ患者の最多記録は「2020年４月の451人」だったが、「来週までにそれを超える」とみられるという。同病院で全1541床の受け入れ能力を管理するロバート・フォガティー氏が述べた。

　　米国では家庭での検査キットが不足しており、各地の当局は難しい選択を迫られている。ニューヨーク市の保健当局は６－７日に計250万セットを追加で受け取る予定だが、学校再開のためを検査を優先していると説明。一方、フロリダ州は老人ホームなど長期介護施設での検査を優先させる方針だ。

　　シカゴ市当局のウェブサイトによれば、感染者が急増している同市では１月５日時点で集中治療室（ＩＣＵ）の病床使用率が89％に達した。ＩＣＵ入院患者の約３割をコロナ感染者が占めるという。

　　世界保健機関（ＷＨＯ）のテドロス事務局長は、オミクロン変異株は感染しても従来株より重症度は低いように見えるが、軽度と考えるべきではないと指摘。ジュネーブで行った記者会見で同氏は「オミクロン株は人々を入院させ、命を奪っている」と述べた。

　　ベルギーでは１月中旬までに新規感染者が４倍に増える恐れがあるが、医療機関はＩＣＵを十分に確保できるはずだとの見方を専門家が示した。

　　ポルトガルのコスタ首相は、学校は予定通り１月10日から再開されるが、ナイトクラブはさらに１週間閉鎖されると発表。在宅勤務は14日まで義務づけられ、それ以降も推奨されるとした。

　　ドイツのリントナー財務相は、今後数週間でオミクロン株の感染が「劇的に増加」しても、全面的なロックダウン（都市封鎖）は回避可能だとの見方を示した。

　　全豪オープンテニス出場のためオーストラリアに到着したノバク・ジョコビッチ選手が入国を拒否された問題で、同選手の弁護士らは、入国拒否の決定に法的異議を申し立てた。

　　ジョンズ・ホプキンズ大学とブルームバーグの集計データによると、世界の新型コロナ感染者数は２億9800万人、死者数は546万人をそれぞれ上回った。ブルームバーグのワクチントラッカーによれば、世界のワクチン接種は計93億5000万回を超えた。