経団連の十倉雅和会長と連合の芳野友子会長ら労使の代表者が26日、東京・大手町の経団連会館で会談し、2022年春闘について意見を交わした。

 経団連は22年春闘の経営側の指針で、収益が高い水準で推移・増大した企業には「(基本給を底上げする)ベースアップ(ベア)の実施を含めた、新しい資本主義の起動にふさわしい賃金引き上げが望まれる」としている。一方、コロナ禍で苦境にある企業には「事業継続と雇用維持を最優先にしながら、自社の実情にかなった対応を見いだすことが望まれる」とした。

 これに対し、連合は春闘方針で、月例賃金(月給)の改善にこだわり、ベアで2%程度、定期昇給分を合わせると計4%程度の賃上げを要求している。

 経団連の十倉会長は会談で「企業の責務として、賃金引き上げと総合的な処遇改善に取り組んでいくことが極めて重要だ」と語った。

 連合の芳野会長は「社会経済の持続性を確保するため、賃上げを起点とした需要喚起で経済を自立的な成長軌道に導く必要がある」と述べた。