[ワシントン 25日 ロイター] – 国際通貨基金(IMF)は25日公表した世界経済見通しで、米国、中国、世界の経済成長予測を下方修正した。

新型コロナウイルスの流行、インフレ、供給制約、米金融引き締めを巡る不透明感がさらなるリスク要因になると指摘している。

2021年の世界の経済成長率予測は0.5%ポイント下方修正し、4.4%とした。米中の経済成長率を下方修正したことが主因。

IMFは、オミクロン株の急速な感染拡大により、多くの国で移動制限が再導入され、労働力が不足していると指摘。供給制約がインフレの進行につながっているとの見方も示した。

オミクロン株の流行は、第1・四半期の経済活動の重しとなる見通しだが、重症化リスクは低いとみられていることから、その後、影響は緩和される見込みという。

また、IMFのギタ・ゴピナート筆頭副専務理事は、ロシアとウクライナ間の緊張悪化がエネルギー価格押し上げにつながる恐れがあり、インフレが長期間高止まりする可能性があるという認識を示した。

23年の世界の経済成長率予測は、昨年10月時点の予測から0.2%ポイント引き上げ3.8%とした。

新型コロナ流行に伴う累積の経済損失は24年に13兆8000億ドルに達する見通し。従来予想は12兆5000億ドルだった。

IMFは米経済成長率の予測を1.2%ポイント下方修正。バイデン政権の看板政策だった巨額の歳出法案が議会を通過していないことや、米連邦準備理事会(FRB)の早期の金融引き締め、供給不足の継続が理由という。

22年の米経済成長率の予測は4%。23年には2.6%に減速する見通し。

ゴピナート氏は、FRBによる利上げの道筋や世界の地政学的な緊張の高まりを巡り「かなりの不確実性」が依然存在すると指摘した上で、FRBが政策を巡り明確なコミュニケーションを取る限り、金利上昇は金融市場の「より秩序立った修正」を主導するという見解を示した。

中国の22年の経済成長率予測は0.8%ポイント下方修正し、4.8%とした。23年の予測は5.2%。「ゼロコロナ政策」に伴う混乱や不動産デベロッパーの財務問題の長期化が下方修正の理由。

ユーロ圏の22年の経済成長率予測は0.4%ポイント引き下げ3.9%とした。23年の予測は2.5%。

ブラジルとメキシコについては、22年の経済成長率予測をともに1.2%ポイント下方修正し、それぞれ0.3%、2.8%とした。中南米の経済成長率予測は0.6%ポイント下方修正し2.4%。

インドと日本については、小幅に上方修正した。

22年のインフレ率予測は、先進国・途上国とも上方修正した。供給網の混乱とエネルギー高騰を踏まえると、当初の予想以上に物価圧力が高止まりする見通しという。

22年の先進国のインフレ率予測は平均3.9%、新興国・途上国は5.9%。23年には燃料・食品価格の上昇率が鈍化し、インフレが落ち着く見通しを示した。

IMFは、先進国と途上国の景気回復ペースが大きく乖離すると予想。先進国は年内に新型コロナ前の水準を回復するが、一部の新興国・途上国は大幅な経済縮小に直面しているという。

新型コロナの流行を受けて、極度の貧困状態で暮らしている人は7000万人増えた。

低所得国の60%はすでに債務問題を抱えているか、そのリスクが高く、主要20カ国・地域(G20)が債務再編を急ぎ、再編交渉中は返済を一時猶予する必要があるとしている。