[ニューヨーク 27日 ロイター] – ニューヨーク外為市場でドルが主要通貨に対し上昇し、2020年7月以来の高値を更新した。米連邦準備理事会(FRB)が25─26日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、予想通り3月に利上げし、その後保有資産の大幅な圧縮に着手する可能性が高いと示唆したことが引き続き材料視された。

終盤の取引で、主要通貨に対するドル指数は0.8%上昇し、20年7月以来の高値となる97.299。1日の伸びとしても、約2カ月ぶりに高さとなった。

政策金利の動向に敏感な米2年債利回りの上昇もドルへの追い風となった。

ユーロ/ドルは0.95%安の1.1133ドルと、20年6月以来の安値に沈んだ。

ドル/円も続伸し、0.49%高の115.21円。

ドルはニュージーランドドルに対し約1年ぶり高値、豪ドルに対しても約7週間ぶり高値を付けた。

OANDAのシニアマーケットアナリスト、エド・モヤ氏は、積極的な米利上げ見通しが世界的なリセットにつながっていると指摘。「インフレが実際にピークに達する時期は不明で、FRBがどの程度(利上げを)進めるかは誰にも分からない」と述べた。

さらに、インフレが年央までに落ち着くという楽観的な見方がある一方、悪化すれば、FRBによるさらなる積極的な行動につながる可能性があるため、「ドルには幾分の上値余地が残っている」と予想した。

米商務省が発表した21年通年の成長率は5.7%と、1984年以来、約40年ぶりの大幅な伸びを記録した。21年第4・四半期の実質国内総生産(GDP)速報値は年率換算で前期比6.9%増と、第3・四半期の2.3%増から加速した。

ただ、ナティクシスの米州チーフエコノミスト、ジョー・ラボーグナ氏は、在庫積み増しが第4・四半期GDPの伸びの約4分の3を占めたことを踏まえ、「堅調な経済」とは断言できないとした。

ロシア通貨ルーブルは対ドルで2.09%高の77.77ルーブル。ウクライナとの戦争という考えさえ容認できないというロシア側の発言を受け、ロシア・ウクライナ間の緊張悪化を巡る懸念が和らいだ。

オフショア人民元はドルに対し0.52%安の6.3668元。中国国家統計局が発表した21年12月の工業部門企業利益は前年比4.2%増で、伸び率は前月(9%)から鈍化し20年4月以降で最低となった。

暗号資産(仮想通貨)のビットコインは1.5%安の3万6276ドル。

ドル/円 NY午後3時 115.29/115.32

始値 115.19

高値 115.48

安値 115.16

ユーロ/ドル NY午後3時 1.1139/1.1143

始値 1.1157

高値 1.1168

安値 1.1133