A demonstrator during a protest against the Russian invasion of Ukraine in front of the United Nations Headquarters in New York, U.S., on Monday, Feb. 28, 2022. Photographer: Michael Nagle/Bloomberg

弊社を含め英文メディアの多くではウクライナの地名表記がかつてと異なります。首都キエフは Kiev から Kyivに、ソビエト時代のスペルをやめて、ウクライナ語に由来する現代的な表記に変わりました。日本語でも表記変更を求める動きは2019年からありますが、多くの報道機関が参照する共同通信社の記者ハンドブックでは、「キエフ Kiev」のままです。ただウクライナ国営通信ウクルインフォルムの日本語サイトでは、キエフは「キーウ」、ハリコフは「ハルキウ」と表記されています。地名はそこに住まう人々の思いや歴史を考えさせます。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

交渉は継続

ベラルーシ国境でウクライナとロシアの代表団が交渉。インタファクス通信によると、ウクライナが数日中に次回の交渉ラウンドを行うことで合意したとロシアは主張している。プーチン大統領はすべての国内居住者を対象に、国外への外貨送金を禁止した。バイデン米政権はこれより先、米国民および米企業がロシア銀行(中央銀行)やロシア財務省、同国政府系ファンドである国民福祉基金と取引を行うことを禁じた。

インフレ次第

米アトランタ連銀のボスティック総裁は、3月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合では25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の利上げを支持するが、月間のインフレ統計で高水準からの低下が見られなければ「50bpの利上げを真剣に考える必要があるだろう」と述べた。ボスティック総裁は「毎回の会合で政策変更はあり得る」と話した。

プーチン氏の本気度

プーチン大統領が命じた核戦力の特別警戒態勢は具体的に何を意味するのか。フランスのボーヌ欧州問題担当相は「すべてを真剣に受け止める必要がある」と指摘した上で、「挑発行為は確実にあり、昨日の演説もその一環だ」と述べた。国連軍縮研究所のパベル・ポドビグ氏は、「特別態勢」とは恐らく、核発射の手順を平時から戦時に切り替えることを含むと指摘。その場合、先制攻撃の可能性を考慮して核ミサイルの発射要件は減ることになる。 脅しの後に続くのは必ずしもNATO加盟国への核ミサイルの発射には限らないと、同氏は分析している。

救難信号

ロシアへの制裁強化を受けて、マネーマーケットではドル調達の動きが加速し、中央銀行による支援を求める声が上がっている。資金調達ストレスを示すFRA/OISスプレッド(ユーロダラー先物とフェデラルファンド金利のスプレッド)は、1カ月物の数値が20年3月以来の大幅な拡大となった。ドイツ銀行のアナリストは「事実上の金融戦争は始まっている」として、中央銀行が行動に出ると予想。ジェフリーズのモヒト・クマール氏は「ユーロとドルのスワップラインを含め、近日中に何らかの形で緊急措置が講じられる可能性は高い」と話した。

撤退

英石油大手のシェルはロシアのガスプロムや関連企業との合弁事業を解消する。これには液化天然ガス(LNG)プロジェクトのサハリン2も含まれ、シェルは27.5%の持ち分を手放す。英BPも27日、ロスネフチの持ち株処分に向けて動き、評価損を計上することになると明らかにした。

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