ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交などウクライナ情勢をめぐる16日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします(日本とウクライナとは7時間、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)。

ウクライナ大統領 米連邦議会で演説「自由に生きる権利攻撃」

ウクライナのゼレンスキー大統領は日本時間の16日午後10時過ぎから、アメリカ連邦議会の上下両院の議員を前にオンラインで演説を行いました。

ゼレンスキー大統領はウクライナ国内の状況について「ロシアはすでに1000発近いミサイルを発射した。数え切れない砲撃も行っている」と訴えました。

そして「ロシアはわれわれの国や人々だけでなく自由に生きる権利を攻撃している」と述べ、アメリカに対してロシア軍機による攻撃から防衛するため、ウクライナ上空に飛行禁止区域の設定をするよう求めるとともに、それが難しければ防空システムや戦闘機を供与するよう求めました。

“病院がロシア軍に占拠され 人質約400人” ウクライナ副首相

ウクライナのベレシチュク副首相は、東部の都市マリウポリで、病院がロシア軍に占拠されていると発表しました。

15日に病院が占拠され、患者や医療スタッフなど合わせておよそ400人が人質となっているほか、ロシア軍が病院の中から外に向けて銃撃を行い、周囲の市民の避難も困難になっているとしています。

ベレシチュク副首相は「このような状況では人を避難させることは不可能だ」と述べ、ロシア側を厳しく非難しています。

キエフ在住の日本人「山場だと感じる」

ウクライナの首都キエフに住む中村仁さんが、16日、NHKのインタビューにオンラインで応じました。

2002年からウクライナで暮らす中村さんはキエフにある日本文化センターの職員として市の中心部から車で15分ほど離れた住宅街に住んでいます。

キエフでは日本時間の16日午前3時から市の全域に35時間の外出禁止令が出されていて、中村さんは「外出禁止令が出たことはSNSを通じて知った。2日間にわたる外出禁止令は2月にもあったが、今はロシア軍も接近していて山場なのだと感じる」と話していました。

インタビューの間にも「ボン」という低い大きな爆発音が聞こえ、中村さんは不安そうな表情で外の様子をうかがっていました。

ウクライナに支援物資も「わずかにしか届けられない」

ICRC=赤十字国際委員会は、日用品や医療物資などが不足しているとして、周辺各地で調達した大量の支援物資を14日から15日にかけてウクライナに届けた際の映像を公開しました。

映像にはトラックから物資を降ろす様子が映されていて、赤十字国際委員会によりますと、この日は水や衛生用品のほか、医療用品などおよそ200トン分を届けたということです。

物資は病院のほか、市民が身を寄せるシェルターに届けるということですが、支援のニーズがあまりに多く、現状では必要とする人の一部にしか行き届いていないということです。

赤十字国際委員会の広報担当者は「現在ウクライナで生じているニーズのすべてを満たすことはできず、ごくわずかにしか届けられない。現地の人々は食料や水、そして何よりも安全な場所を求めている」と話し、支援の強化を訴えました。

日本からウクライナへ 支援物資を米軍機で初めて輸送

ウクライナからの要請を踏まえ、日本政府は防弾チョッキやヘルメット、それに防寒服や非常用の食料など、自衛隊が持つ防衛装備品や物資の提供を進めています。

16日、東京の横田基地で、防弾チョッキやヘルメットなどが次々とアメリカ軍のC17輸送機に積み込まれました。

防衛省によりますと、日米の協定に基づき、共同訓練などの際に、自衛隊の装備品を日本やアメリカ以外の国に、アメリカ軍機で輸送した実績はあるものの、第3国を支援する目的で運ぶのは今回が初めてだということです。

支援物資はヨーロッパのアメリカ軍基地を経由して、ウクライナへ届けられる予定です。

“中国に制裁なら対抗措置” 中ロ連携に懸念の米をけん制

ウクライナ情勢をめぐっては、ロシアが友好国の中国に軍事物資の支援を求めていると報じられる中、アメリカと中国の政府高官が14日に会談し、アメリカ側は中国がロシアと連携することに強い懸念を示しました。

こうした中、中国外務省の趙立堅報道官は16日の記者会見で「アメリカはこのところ、中国を挑発する発言を多くしている。あからさまないじめや脅迫だ」と批判しました。

そのうえで「中国はいかなる形の制裁にも反対しており、アメリカには中国の正当な権益を損なわないよう求める。アメリカが独断専行するならば強力な対抗措置をとる」と述べ、アメリカが中国に対して制裁を行えば対抗措置をとる構えも示し、制裁を行うべきではないとけん制しました。

ロシア国営テレビ職員反戦訴え“当局が予備的捜査”

ロシア国営の「第1チャンネル」に勤めるマリーナ・オフシャンニコワさんは14日、ニュース番組の放送中に突然、スタジオに入り「戦争反対」と書いた紙を掲げて反戦を訴えました。

モスクワの裁判所は15日、オフシャンニコワさんに対して日本円で3万円余りの罰金刑を言い渡しましたが、ロシア国営のタス通信が情報筋の話として伝えたところによりますと、この罰金刑はオフシャンニコワさんが、人々に抗議集会に加わるよう呼びかける動画メッセージをSNSに投稿したことに対するものだということです。

そしてニュース番組中に反戦を訴えた行為については捜査当局が予備的な捜査に着手したと伝えています。

オフシャンニコワさんの行動に対してはロシア国内からもSNS上で賛同や応援のメッセージが相次ぎ、反響が広がっています。

こうした中で、言論統制を強めるプーチン政権が、オフシャンニコワさんに重い刑事罰を科し、弾圧していくのか、今後の対応が焦点となります。

岸田首相 ロシアへの制裁強化「最恵国待遇」撤回を表明

岸田総理大臣は16日夜の記者会見の中で「ロシアの今回の暴挙は歴史に刻むべき非道な行為だ。自由、人権、法の支配といった普遍的価値を守り抜くため、わが国は断固としてこれを糾弾する。G7=主要7か国と連携して、事態の展開に合わせて、機動的に厳しい制裁措置を講じていく」と述べました。

そのうえで、ロシアに対する制裁のさらなる強化を行うとして、先にG7が発表した首脳声明を踏まえ、ロシアに対して外交的・経済的圧力を一層強め、法令上の措置を含めて必要な対応をとる考えを示しました。

具体的には、貿易上の優遇措置などを保障する「最恵国待遇」を撤回し、輸出入の管理のさらなる強化に向け、ロシア向けのぜいたく品の輸出や一部物品の輸入を禁止し、今後、速やかに対象品目を特定すると明らかにしました。

避難のバス待ち 長蛇の列

ICRC=赤十字国際委員会が15日にウクライナ北東部の都市スムイで撮影した映像には、大きな荷物を持った大勢の市民が避難用のバスに乗ろうと長い列を作っている様子が映し出されています。

スムイでは「人道回廊」と呼ばれるルートを使った市民の避難が始まっていて、赤十字国際委員会によりますと、この日だけで80台以上のバスが別のまちへ向けて出発したということです。

現場で支援にあたった担当者は「ここまでの規模で人道上の大惨事が広がっていることは、もはや私たちの理解を超えている」と話していました。

ユニセフ「1秒当たりほぼ1人のペース 子どもが難民に」

ユニセフ=国連児童基金は15日、ウクライナからこれまでに150万人を超える子どもたちが国外への避難を余儀なくされたと発表しました。ユニセフの広報担当者は「1秒当たりほぼ1人のペースでウクライナの子どもたちが難民になっている」と述べ、強い危機感を示しました。

さらに「この難民危機は第2次世界大戦以降、前例のないスピードと規模で収束に向かうサインは見受けられない」と指摘しています。

3日連続の停戦交渉へ 妥協点見いだせるか

ロシア軍がウクライナへの侵攻を続ける中、双方の代表団によるオンライン形式の停戦交渉が3日連続で16日も行われる見通しです。交渉ではウクライナのNATO=北大西洋条約機構への加盟に代わる安全保障の枠組みなどについて議論されているとみられます。

双方からは一定の合意に向けた前向きな発言も出ているものの、依然としてロシア側の強硬な姿勢が根強いことから主張の隔たりを埋める妥協点を見いだせるかが焦点です。

東部マリウポリの警察署長 「公園や病院に死者が埋葬」

ロシア軍の激しい攻撃が続く東部マリウポリで地元の警察のトップを務めるミハイロ・ベルシニン署長が通信状況が悪化する中、15日、NHKの質問に音声メッセージで回答しました。

ベルシニン署長は「電気と水道、それにガスが2週間にわたり止まったままだ。病院は患者が多すぎて医薬品が足りない」と述べ、人道状況の極端な悪化を訴えました。またロシア軍による空爆や砲撃で連日、死者が出ているとして「警察官はけが人の搬送に当たり戦闘に備えている」と緊張した様子で話しました。そのうえで「公園や病院には集団墓地が掘られ死者が埋葬されている。行ったことはないが、まるでシリアのアレッポのような状況だと思う」と述べ、シリア内戦中、ロシア軍の空爆で壊滅的な被害を受けたアレッポと現在のマリウポリの様子を重ね合わせていました。

人口40万人のマリウポリは「人道回廊」と呼ばれる避難ルートが設置されたあともロシア軍による攻撃がやまず、ウクライナ政府によりますと15日、およそ2万人が避難したものの取り残されている市民も大勢いるということです。ベルシニン署長は「いま必要なものは水と食料、それから衛生用品・医療用品だ。インフラの復旧の障害となっているがれきも取り除かなくてはならない。そのためにも停戦が必要だ」と述べ、態勢を立て直すため短い時間であっても停戦が必要だという認識を示しました。

反戦訴えたロシア国営テレビ職員 国連「報復しないよう要請」

ロシアの国営テレビのニュース番組の放送中に反戦を訴え拘束された職員のマリーナ・オフシャンニコワさんについて、国連人権高等弁務官事務所の報道官は15日に行われた記者会見の中で「彼女が表現の自由の権利を行使したことについて報復を受けないよう当局に対して強く要請する」と述べて、今後もロシア当局の対応を注視する姿勢を示しました。

またロイター通信によりますと、フランスのマクロン大統領は15日、記者団に対し「わが国の大使館やそれ以外の手段を通じて彼女を支援するための外交的な働きかけを行っている」と述べて、フランス政府としてオフシャンニコワさんを支援する用意があることを明らかにしました。そのうえでロシアのプーチン大統領と次の電話会談を行う際にこの問題について取り上げる考えを示しました。

「大統領の演説見る機会設けて」ウクライナ政府が日本政府に打診

ロシアによる軍事侵攻が続いているウクライナ政府から日本側に対し国会でゼレンスキー大統領の演説を動画で見る機会を設けてもらいたいという打診があり、自民党と立憲民主党の国会対策委員長が打診を受け入れるべきだという認識で一致しました。

ウクライナのゼレンスキー大統領は西側諸国に支援を要請するためイギリスなど各国の議会でオンライン形式での演説を重ねていて、日本時間の16日夜にはアメリカ連邦議会の上下両院の議員を前に演説することにしています。

政府関係者によりますと、これまでに東京のウクライナ大使館から外交ルートを通じて日本政府に対し国会でゼレンスキー大統領の演説を動画で見る機会を設けてもらいたいという打診があったということです。これを受けて自民党の高木国会対策委員長と立憲民主党の馬淵国会対策委員長が16日午後会談し、打診を受け入れるべきだという認識で一致しました。

衆参両院の本会議場には映像を見る設備がなく、オンラインでの演説か収録された動画なのかが不明なことから、どのように演説を視聴するかなどの技術的な課題については議院運営委員会の理事会などで各党で協議することになりました。

中国駐米大使「侵攻についての事前情報なかった」 米紙に寄稿

アメリカに駐在する中国の秦剛 大使が15日、有力紙ワシントン・ポストに寄稿し「ウクライナ侵攻について事前に知っていたとか、黙認したり暗黙に支持したりしたというのは全くの偽情報だ」として、友好国であるロシアから侵攻についての事前の情報はなかったと主張しました。

さらにロシアが中国に軍事物資の支援を求めていると報じられたことも含めて「中国に対する中傷にすぎない」と否定しています。

また「台湾とウクライナを関連付け台湾海峡における衝突のリスクが高まっていると強調する人がいるが間違っている。これらは全く異なる事柄だ。ウクライナは主権国家なのに対し台湾は中国の不可分の領土だ」として、これまでの中国側の主張を繰り返しました。

避難のウクライナ人 14日までに54人入国

出入国在留管理庁の担当者は参議院法務委員会で、今月2日に岸田総理大臣がウクライナから避難した人の日本への受け入れを表明してから14日時点で54人が入国したと説明しました。

停戦交渉16日も 糸口見いだせるか不透明

ウクライナに侵攻するロシア軍が首都キエフの包囲に向けて戦闘を続ける中、双方の代表団による交渉が15日に続き16日も行われる予定です。ただウクライナの「中立化」や「非軍事化」を強く要求するロシア側との立場の隔たりは依然として大きいとみられ、交渉で停戦に向けた糸口を見いだせるかどうかは不透明です。

ウクライナ大統領「交渉に時間必要」

ウクライナのゼレンスキー大統領は16日、SNSに投稿したビデオメッセージで16日も継続する予定のロシアとの停戦交渉について「ロシア側の要求は現実的になってきていると報告を受けているがウクライナの国益にかなう決定をするまでにはまだ時間が必要だ」と述べ、交渉を慎重に進めていることを明らかにしました。

一方で「ロシア軍は平和な都市や民間のインフラをねらい明らかな戦争犯罪を行った。ウクライナに落とされたミサイルは900発を超え空爆の数も数え切れない」と述べロシアを非難しました。そして「キエフはロシアの軍用機が飛行しミサイル攻撃も続いていて危険な状況だが、ウクライナの友人は訪れてほしい」と述べ、各国の関係者にキエフを訪問しウクライナとの連帯をアピールするよう呼びかけました。

ウクライナ大統領 ポーランド チェコ スロベニアの首相と会談

ウクライナのゼレンスキー大統領は15日、首都キエフを訪問したポーランド、チェコ、そしてスロベニアの首相と会談し、事態の収拾に向けた各国の協力に期待を示しました。

アメリカ ウクライナ支援に日本円で1兆6000億円の緊急予算

アメリカのバイデン大統領はウクライナへの兵器の供与や人道支援など総額136億ドル、日本円にしておよそ1兆6000億円の緊急予算を盛り込んだ法案に署名し「ウクライナへの支援を一層進めるため迅速に行動していく」と述べて支援を急ぐ考えを示しました。

“ロシア軍 キエフの住宅地などを頻繁に攻撃” アメリカ国防総省

アメリカ国防総省の高官は15日、ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシア軍がこれまでに950発以上のミサイルを発射したとしたうえで、引き続き首都キエフが長距離からの砲撃にさらされ住宅地などが頻繁に攻撃されていると指摘しました。またアゾフ海に面する東部の要衝マリウポリもロシア軍が孤立させたうえで激しい砲撃を行っているということです。

ウクライナ代表団 “16日も引き続き停戦交渉を行う”

停戦をめぐるロシアとウクライナのオンライン形式での交渉が14日に続いて15日も行われました。15日の夜になってウクライナ代表団のポドリャク大統領府顧問はツイッターで「交渉はあすも続ける。非常に困難で粘り強い交渉のプロセスだ。根本的な食い違いがある。しかし確かに妥協の余地はある」として、16日も引き続き交渉を行う考えを示しました。

ロシア側はウクライナの「中立化」や「非軍事化」などの要求を迫るなど強硬な姿勢を示していて依然として双方の隔たりは大きいとみられ、停戦に向けた糸口を見いだせるかどうかは不透明です。

キエフ近郊で米メディア関係者2人が死亡

アメリカのテレビ局FOXニュースは14日にウクライナの首都キエフ近郊で取材チームが攻撃を受け、カメラマンとウクライナ人ジャーナリストの合わせて2人が死亡し、記者1人が負傷したと明らかにしました。死亡したのはカメラマンのピエール・ザクシェフスキーさん(55)と、ウクライナ人のジャーナリスト、オレクサンドラ・クフシノワさん(24)の2人で、一緒に取材をしていたベンジャミン・ホール記者(39)はけがをして現地の病院に入院しているということです。

ウクライナ大統領 NATO加盟が困難との認識示す

ウクライナのゼレンスキー大統領は15日、イギリスが主導する防衛関係の会議の中で動画で演説し「NATO=北大西洋条約機構の扉は開かれていると何年も聞かされてきたが入ることができないとも聞いている。それは事実であり認めなければならない」と述べ、目指してきたNATO加盟が当面難しいとの認識を示すとともに、ウクライナの安全を確保する新たな枠組みが必要だと訴えました。

“ロシア軍 ザポリージャ原発で不発弾を爆破” IAEAが声明発表

IAEA=国際原子力機関のグロッシ事務局長は15日に声明を発表し、ウクライナ南東部のザポリージャ原子力発電所の敷地内でロシア軍が原発の職員に知らせないまま攻撃の際に残した不発弾を爆破させていたことが確認されたと明らかにしました。

西部リビウ ショッピングモールに仮設病院を設置

ロシア軍がウクライナへの軍事攻撃を強める中、比較的情勢が安定している西部のリビウではアメリカ南部ノースカロライナ州に拠点を置く国際NGOが大型のショッピングモールの地下にある駐車場に大規模な仮設病院を設置し、15日には避難してきた女性2人が足の痛みなどを訴えて診察を受けていました。この仮設病院には医師や看護師合わせて50人が常駐していて一日に100人以上の治療が行える態勢をとっているほか、手術室やICU=集中治療室も完備していておよそ60人が一度に入院できるということです。

ウクライナからの避難者 300万人超える

UNHCR=国連難民高等弁務官事務所のまとめによりますと、ロシアによる軍事侵攻を受けてウクライナから国外に避難した人の数は15日時点で300万人を超えました。

最も多いのがポーランドでおよそ183万人、ルーマニアがおよそ45万人、モルドバがおよそ33万人、ハンガリーがおよそ26万人、スロバキアがおよそ21万人などとなっています。またロシアに避難した人はおよそ14万人となっています。

キエフ 地下の防空ごうに野戦病院

ウクライナの首都があるキエフ州ではロシア軍が首都キエフの包囲に向けて攻勢を強める中、地下の防空ごうに野戦病院が設けられています。ロイター通信によりますと防空ごうの中は床にマットレスが敷かれて病室になっているほか、治療に必要な抗生物質やさまざまな医療機器が用意されています。

トルコ外相 ロシアとウクライナ訪問へ

トルコのエルドアン大統領は15日の会見で、チャウシュオール外相をロシアとウクライナに派遣すると発表しました。チャウシュオール外相は16日にロシアを、そして17日にウクライナを訪問する予定だということです。トルコはロシア、ウクライナ双方と経済的な結び付きが強くロシアの軍事侵攻後、初めてとなる今月10日の外相会談を仲介するなど両国の間を取り持つことに意欲を示しています。

バイデン大統領 ヨーロッパ連合の首脳会議に出席へ

ホワイトハウスのサキ報道官は15日の記者会見で、バイデン大統領が来週24日に開かれるNATO=北大西洋条約機構の緊急の首脳会議に加えてEU=ヨーロッパ連合の首脳会議にも出席すると述べ「ロシアによる理不尽で正当化できない軍事侵攻の抑止と防衛について議論することになる。バイデン大統領は顔をつきあわせた対面での外交を非常に重視している」と説明しました。

WTOの14の国と地域 「最恵国待遇」取り消しの方針

ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアを貿易の面で世界経済から締め出そうという動きが広がりを見せています。WTO=世界貿易機関に加盟する日本やアメリカ、それにオーストラリアや韓国など14の国と地域が「最恵国待遇」と呼ばれる貿易上の優遇措置の取り消しなどを行う方針を明らかにしました。

プーチン大統領「ウクライナ側は真剣な態度を示していない」

ロシア大統領府によりますと、プーチン大統領は15日、EUのミシェル大統領と電話会談し「ウクライナ側は相互が受け入れ可能な解決策を見いだすことに真剣な態度を示していない」と批判したということです。

市民の犠牲増え続ける

国連人権高等弁務官事務所は14日までに子ども48人を含む少なくとも691人の市民が死亡したと明らかにしました。またEUのボレル上級代表は東部マリウポリだけでこれまでに2400人以上の市民が犠牲になったとしています。

ロシア バイデン大統領やトルドー首相の渡航禁止

ロシア外務省は15日、アメリカのバイデン大統領やカナダのトルドー首相のロシアへの渡航を禁止すると発表しました。アメリカは先月25日、ウクライナへの軍事侵攻を受けてロシアのプーチン大統領などに対してアメリカ国内の資産を凍結する制裁を科すと発表していて、ロシア外務省は声明でこうした制裁への対抗措置だとアピールしています。

反戦を訴えたロシア国営テレビ職員に3万円余りの罰金刑

ロシアの国営テレビのニュース番組中にスタジオに入って反戦を訴え拘束された職員の女性に対し、モスクワの裁判所は日本円で3万円余りの罰金刑を言い渡しました。女性は裁判所から出たあと「取り調べは14時間以上続いた」などと述べるとともに支援者に感謝の意を示しました。

駐米ウクライナ大使「ロシアの空爆から守ってほしい」

アメリカに駐在するウクライナのマルカロワ大使が15日、ワシントンで記者会見し「ロシアは子どもや女性、お年寄りなど民間人を標的に攻撃している。ジェノサイドが起きている」と述べ、軍事侵攻を続けるロシアを厳しく非難しました。そのうえで「緊急で必要な支援は防空に関するものだ。ロシアによる残忍な空爆からウクライナを守ってほしい」と述べ、アメリカなどNATO=北大西洋条約機構の加盟国に対し空爆から市民を守るよう訴えました。

モルドバ 不動産会社が物件を無償貸し出し

ウクライナの隣国モルドバでは避難してきた人たちを支援しようと地元の不動産会社が物件を無償で貸し出したり、社員として雇用したりしています。モルドバにはウクライナからおよそ33万人が避難していて行政が避難施設を運営し市民が衣類や食料品を持ち寄るなど、官民一体となって支援を行っています。

NATO事務総長「不測の事態が起きるリスクがある」

NATO=北大西洋条約機構のストルテンベルグ事務総長はロシア軍がウクライナ西部にある軍の施設を空爆したことについて「NATO加盟国との国境近くで戦闘が行われるようになると不測の事態が起きるリスクがある」と懸念を示しました。またNATOは今月24日にベルギーの本部で緊急の首脳会議を開くことを明らかにしました。

キエフ市長「ハリコフやマリウポリと同じことが起きている」

ウクライナの首都キエフのクリチコ市長は15日、ロシア軍による攻撃を受け破壊されたマンションの現場を訪れました。記者団の取材に応じたクリチコ市長は「死者が出ているが正確な数はわからない。まだマンションのすべての階に入れていない。避難した人は50人近くいるが多くはけがをしている」と述べました。また「国内の多くの都市が破壊されハリコフやマリウポリと同じことがキエフでも起きている」と述べて、首都でも被害が拡大していることに危機感を示し、可能なかぎり地下ごうにいるようにしてほしいと市民に呼びかけました。

スポーツ仲裁裁判所 ロシアの出場禁止凍結の訴え退ける

CAS=スポーツ仲裁裁判所は15日、UEFA=ヨーロッパサッカー連盟がロシアの大会への出場を禁止した措置の一時的な凍結を求めたロシアサッカー連合の訴えを退けたと発表しました。

ウクライナに支援物資を運ぶトラックなどが長い列

ウクライナの隣国、ポーランド南東部の国境の町メディカの検問所には15日、食料や衣料品などの支援物資を積んだ各国からのトラックや乗用車などが長い列を作っていました。中には地域の人たちへの支援物資を調達するためにウクライナ西部とポーランドを往復している男性もいて、車の荷台や後部座席にはたくさんの食料やおむつなどが積まれていました。

EUと英 ロシアに追加制裁「最恵国待遇」の取り消しへ

EUは15日、ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアに対する追加の制裁を決め、アメリカが先に方針を表明していた「最恵国待遇」と呼ばれる貿易上の優遇措置を取り消すことで合意しました。実施されればロシアからの輸入品に高い関税がかかる見込みです。一方イギリスも15日、ロシアを最恵国待遇から除外すると発表しました。ロシアから輸入する銅やアルミニウムのほか、ウォッカなど合わせて数百種類の輸入品に対して35%の追加関税をかけるとしています。

ロシア “国債デフォルト”の見方強まる

欧米各国から厳しい経済制裁を科されているロシアは16日以降、ドル建ての国債の利払いなどの期限を相次いで迎えます。制裁によって多額の外貨準備が凍結されていることなどから、デフォルト=債務不履行に陥るという見方が強まっています。