• 米CPIが高い伸び、円の荒い値動き、FRB積極姿勢強めるか
  • 英当局者が方向転換を協議、G20はリスク長期化を警告
An elderly couple holds hands while walking on a path at Golden Gate Park in San Francisco, California, U.S., on Thursday, June 21, 2018.  Photographer: David Paul Morris/Bloomberg

高インフレが根強く続く米国ですが、高い物価の伸びに伴い公的年金の支給額も大きく増えつつあります。これはCOLA(生活費調整)と呼ばれるインフレ調整で、消費者物価指数(CPI)に基づき算出されます。米社会保障庁によれば、今年の支給分に適用されているCOLAは5.9%。13日に発表された2023年支給分の適用は8.7%で、この調整率は1981年以来の大きさです。約6500万人いる米国の公的年金受給者は来年、毎月の受給額が平均で約140ドル(約2万円)増えることになります。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

40年ぶり伸び率

9月の米CPIは、変動の大きい食品とエネルギーを除くコア指数が前年同月比6.6%上昇と、市場予想を上回り、40年ぶりの高い伸びとなった。広範な分野で上昇したが、特に住居費と食品、医療で指数の伸びが目立った。家賃と帰属家賃はいずれも前年同月比で6.7%上昇と、統計開始後最大の伸びを記録。食品は同11.2%上昇した。

値動き荒く

ニューヨーク外国為替市場で、円が対ドルで一時147円67銭まで下げ、32年ぶり安値となった。たたその後、一気に146円50銭まで上げる場面があり、市場では介入があったのではとの見方も一部で広がった。モントリオール銀行で通貨戦略のグローバルヘッドを務めるグレッグ・アンダーソン氏(ニューヨーク在勤)は「市場は介入に神経質になっている」と指摘した。

積極姿勢強めるか

米金融当局は従来の想定より長く積極的な利上げを続ける軌道にあるようだ。コアCPIが市場予想を上回ったことを受け、市場では米連邦公開市場委員会(FOMC)が11月と12月の両会合で75ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)利上げするとの見方が強まった。また短期金融市場が織り込む政策金利のピークは、初めて5%に近づいた。

方向転換も

英当局者らはトラス首相の大型減税計画についてどのように方向転換すべきかを協議している。事情に詳しい関係者が明らかにした。それによれば、首相府と財務省の当局者らは首相に提示する選択肢の草案を作成しているが、方向転換について最終決定はなされていない。英国のクワーテング財務相は13日、自身の経済戦略を堅持する姿勢を示し、「どこにも行かない」と言明した。

リスク長期化を警告

ワシントンで開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は、世界経済へのリスクは来年も続く可能性が高いとの見方を示し、政策面での協調した対応を訴えた。G20議長国インドネシアのスリ・ムルヤニ・インドラワティ財務相は、「世界は危険な状態だ」という表現で討議内容を記者団に説明した。同席したペリー・ワルジヨ中銀総裁も、リセッション(景気後退)リスクが高まっていると警告を発した。

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