[パームビーチ(米フロリダ州) 15日 ロイター] – トランプ前米大統領は15日、フロリダ州の邸宅マール・ア・ラーゴで演説し、2024年大統領選に出馬すると表明した。通常より早い立候補の表明で共和党の他の有力候補の出馬機運をそぎ、候補者指名争いを有利に運ぼうという狙いが透ける。

ダンスホールに集まった数百人の支持者を前に「米国を再び偉大にするため、私は今夜、大統領選への立候補を表明する」と述べた。

トランプ氏の側近はこの日、同氏の24年大統領選出馬に向けた書類を連邦選挙委員会(FEC)に提出した。

同氏は演説で従来の移民批判を繰り広げ「われわれは毒されている」と語り、大都市で犯罪が急増し「血の処理場」になっていると訴えた。

麻薬ディーラーへの死刑執行や議員の任期制限を推進し、新型コロナウイルスワクチン接種を拒否して除隊処分された軍職員を復帰させると述べた。

一方、米国の選挙制度を批判しながらも、20年大統領選が不正操作されたという主張を繰り返すことはしなかった。

トランプ氏は今月8日の中間選挙の選挙戦で自身と同じ「選挙否定派」の応援を活発に行った。ただ、激戦州の多くでトランプ派の候補が敗北しており、党内の一部有力者は実力のない候補を推したとしてトランプ氏を批判している。

76歳のトランプ氏は連続ではない2期目を目指すことになる。歴代大統領では唯一、グロバー・クリーブランド元大統領が連続でない2期目を1897年まで務めた。79歳の現職バイデン大統領は先週、再選を目指す意思があり、来年初めに最終決定すると表明した。

バイデン氏は訪問先のインドネシアで、トランプ氏の出馬表明に何か言うことがあるか問われ「あまりない」と応じた。ツイッターでトランプ氏の大統領としての仕事ぶりを批判する動画を投稿した。

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