[東京 30日 ロイター] – 三菱重工業と米石油ガス開発大手エクソンモービルは30日、二酸化炭素(CO2)回収技術で提携したと発表した。三菱重のCO2回収技術とエクソンのCO2回収・貯留技術を組み合わせることで回収から貯留まで一気通貫で提供する体制を整え、エネルギー分野の脱炭素に向けたプロジェクトの受注拡大を狙う。

世界各国の企業が地球温暖化対策としてCO2の回収・貯留技術の開発に力を入れており、両社の提携はその潮流を受けた動きとなる。三菱重は2030年にCO2回収技術や水素などで3000億円規模の事業創出を計画しており、同社にとって今回の提携は計画実現に向けた具体的な取り組みの一環。

エクソンが手がける産業分野向けCO2回収・貯留プロジェクトに、三菱重工グループの三菱重工エンジニアリングのCO2回収技術を用いる。次世代CO2回収技術の開発を進め、顧客企業のCO2回収コスト削減を図る。三菱重の回収技術のプロセスは関西電力と共同開発したもので、今回の提携では関電の協力も得た。

エクソンは30年以上にわたってCO2を回収・輸送して地層へ安全に注入する実績を持つ。三菱重は商用CO2回収プラントにおける排ガスからのCO2回収設備の容量ベースで世界シェア首位。三菱重工エンジニアリングはこれまで世界で計14基の商用CO2回収プラントを納入している。