Samy Adghirni、Benoit Berthelot

  • 自衛隊と仏軍の共同訓練、ニューカレドニア領事事務所開設にも言及
  • 「北朝鮮の国際法違反で常に変わらない支援」-マクロン大統領

岸田文雄首相は9日午後、フランスのマクロン大統領とパリのエリゼ宮(大統領府)で会談した。中国と北朝鮮を巡る共通の懸念を念頭に、両首脳はインド太平洋地域での協力強化で一致した。

  岸田首相とマクロン大統領は会談後の記者会見で、日仏が協力関係を拡大できる分野として、安全保障を含む困難な諸課題を挙げ、自衛隊とフランス軍の共同訓練推進や、南太平洋のフランス海外領ニューカレドニアへの日本の領事事務所開設に言及した。

  エリゼ宮でのワーキングディナーに先立ち、マクロン大統領は、日仏が「ウクライナでの戦争にとどまらず、重大な国際危機や核不拡散の問題に関し、これまで絶えず緊密に連携してきた」とした上で、「北朝鮮の目に余る国際法違反に直面し、日本はわが国の常に変わらない支援を当てにできる。両国はインド太平洋地域での協調行動を継続する」と発言した。

エリゼ宮で岸田首相を出迎えるマクロン大統領(1月9日)Photographer: Ludovic Marin/AFP/Getty Images

  岸田首相は「自由で開かれたインド太平洋地域実現においてフランスは重要なパートナーだ」と指摘。「これからは欧州とインド太平洋の安全保障は不可分」とし、共同訓練などを通じてフランスとの協力を日本は進めたいと語った。

  5月に広島市で開く主要7カ国首脳会議(G7サミット)に向け、欧米を歴訪中の岸田首相は最初の訪問国であるフランスに続きイタリアと英国、カナダ、米国も訪れ、各国首脳と個別に会談する。

原題:Macron, Kishida Vow Closer Cooperation on Indo-Pacific(抜粋)