[ロンドン 13日 ロイター] – 欧州連合(EU)の新たな森林破壊防止法の適用が迫る中、複数の大口投資家が関連エクスポージャーを懸念しており、一部はロイターに対し、リスクの高いサプライチェーン(供給網)を持つ消費財メーカーから手を引く可能性があると明らかにした。

EUは昨年12月、森林破壊に関連するコーヒー、牛肉、大豆、ゴム、パーム油といった商品を企業が自国市場で販売するのを防ぐ新しい規則で合意。各社は自社のサプライチェーンが森林破壊に関与していないことを証明しなければ、EU加盟国での売上高の4%を上限とする罰金を科される。

ユニリーバやレキットの主要株主である独ユニオン・インベストメントは昨年、消費財メーカー56社に対し、サプライチェーンの森林破壊について詳しく調べるよう求める書簡を出した。

担当者は「罰金は株式市場におけるこれら企業のパフォーマンスにとってリスクとなり得る」と述べた。

内部文書によると、受け取った回答は30社にとどまり、その中で森林破壊ゼロ目標を掲げていると答えた企業は14社に過ぎなかった。

同担当者は「通常、書簡を出すとどの企業からも返信がある。回答しない理由は何も言うことがないからかもしれない」と述べ、状況次第で投資を引き揚げる可能性があるとした。

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ユニオン・インベストメントのほか、シュローダー、ジャナス・ヘンダーソン、NBIM、KLP、アビバ、フィデリティ・インターナショナル、ナインティ・ワンの大手機関投資家8社はロイターに対し、この問題について消費財メーカーと話をしていると表明。うち3社は投資をやめる可能性がある銘柄を特定するとしている。

欧州議会議員はこの法律は「大手事業者」について2024年末までの施行を想定している。