Yueqi Yang、Olga Kharif

  • 22年のFTX破綻で動揺していた業界、今年は成績が好転
  • ビットコイン現物ETFが承認されるとの楽観が追い風に
ビットコイン
ビットコイン Photographer: Ozan Kose/AFP

苦難の2022年を乗り越えた暗号資産(仮想通貨)ヘッジファンドは持ち直しつつあり、多くは好成績を収めている。中には、さらに飛躍の2024年を見込んむファンドもある。

  業界の老舗かつ最大ファンドの一角であるダン・モアヘッド氏率いるパンテラ・キャピタルでは、リキッド・トークン・ファンドのリターンが今年は12月半ば時点で80%近くに上っている。同成績に詳しい関係者が明らかにした。22年は80%のマイナスを記録していた。チェーンビュー・キャピタルのリターンは今年倍増したと、同社を率いるダン・スラビン氏(31)は述べた。昨年はマイナス18%だったという。

  アルトコイン(ビットコイン以外の暗号資産)に主に投資するストカ・グローバルでは、11月30日時点で268%の年初来リターンを上げた。創業者のナビーン・チョウダリー氏が明らかにした。同氏はゴールドマン・サックス・グループのテクノロジー投資銀行部門でキャリアをスタートさせた。

  平均すると、暗号資産ヘッジファンドの年初来リターンはビットコインの150%超上昇に及ばないが、成績の好転は昨年の暗号資産交換業者FTX経営破綻で動揺している業界にとって歓迎すべきニュースだ。FTX破綻は換金の波や銀行サービスへのアクセス困難と相まって、暗号資産ヘッジファンドの約3分の1が閉鎖される要因となった。この苦境を乗り切った企業はさらに好調な24年に向けて準備を進めている。米国がビットコイン現物投資型の上場投資信託(ETF)を承認するとの楽観を背景に、ビットコインが高値を維持しているためだ。

  「仮想通貨を巡る熱狂が再来することになりそうだ」とスラビン氏は指摘。今年の仮想通貨市場のムードは、ビットコインが高値を更新しながら大ブレークの最前線を進んでいた3年前の状況とよく似ていると付け加えた。

  「いろいろな意味で、夢のような1年だった」とスラビン氏。トレーダーや他のスタッフの増員を検討していると語った。同氏は幼少時代に住んだボストン近郊の家に設けた仮設の仕事スペースからインタビューに応じた。マイアミに移転する前にファンドを立ち上げた場所だ。

  ブルームバーグの指数によると、仮想通貨ヘッジファンドの年初来リターンは12月20日時点で平均44%。昨年のマイナス52%から回復した。

原題:Hedge Funds Gear Up for ‘Token Mania’ After 2023 Crypto Rebound(抜粋)