現在は自民党総務会長代理の松下氏 ©時事通信社

 警視庁公安部が2月21日、新型コロナの持続化給付金100万円を騙し取ったとして、詐欺容疑で中国籍の女性2人を書類送検した事件。実は、このうちの1人は、自民党・松下新平参院議員(57)の秘書を務めていた人物だった。「 週刊文春 」は、松下氏と女性の親密さを窺わせる写真も撮影していた。 【画像】X氏が松下氏に紹介した中国人会社社長の豪邸に2人で(2021年7月)

捜査をしていたのは公安部外事二課

 社会部記者の解説。 「埼玉県蕨市の女性(59)は、自身が経営する風俗店を整体院と偽り、2020年7月に持続化給付金100万円を詐取した疑いがもたれています。また、東京都墨田区の女性(44)は申請時に名義を貸したとされる。この件を捜査・発表したのは、詐欺などの知能犯を扱う捜査二課ではなく、外国スパイの摘発などを担当する公安部外事二課でした。というのも、詐欺事案が発生した時点で、彼女たちは『中国警察の海外拠点』との懸念が指摘される一般社団法人の幹部だったのです」  書類送検された2人のうち、墨田区の女性が、松下氏の秘書だったX氏だ。  松下氏は参院宮崎選挙区選出で、現在当選4回。自民党外交部会長や内閣府副大臣などを歴任し、宏池会が源流の谷垣グループに所属してきた。「参院の入閣適齢期は当選3回。次期閣僚候補の一人」(政治部デスク)とされる。

「外交顧問兼外交秘書」の名刺を渡して

 その松下氏は2019年10月頃から、X氏に「外交顧問兼外交秘書」と記した名刺を渡し、重要な会合の場などにも同席させていた。  さらに、「週刊文春」は2021年7月16日夕方、松下氏とX氏が旧知の中国人社長の自宅に向かうところを撮影していた。当時は緊急事態宣言下ということもあって、2人はマスク姿。X氏は両手一杯に荷物を抱えていた。  つまり、X氏は松下氏の秘書として重要な役割を担う傍ら、「中国警察の海外拠点」との懸念が指摘される団体の幹部を務め、詐欺行為にも手を染めていた疑いがあるのだ。

岸田政権は経済安全保障に力を注いできた

 X氏の自宅に質問状を投函したが、期限までに回答は無かった。  松下事務所にも事実関係の確認を求めたが、担当者が「(期限に)間に合わないので回答しません」とした。  覇権主義を取る中国の脅威が指摘される中、岸田政権は経済安全保障に力を注いできた。それだけに、松下氏には、今回書類送検されたX氏との関係について透明性のある説明が求められそうだ。  2月28日(水)12時配信の「 週刊文春 電子版 」および2月29日(木)発売の「週刊文春」では、松下氏と中国との関係の深さや、松下氏がX氏に議員会館の通行証を発行した経緯、X氏が幹部を務めていた一般社団法人の実態、専門家が指摘するウィーン条約違反の疑いなどについても報じている。

「週刊文春」編集部/週刊文春 2024年3月7日号