▽日本などとの通商協議、時間がかかる可能性-ラトニック米商務長官

Justin Sink

  • 「取引は早急にはまとまらないだろう」とブルームバーグTVに発言
  • 初期の合意が各地域におけるひな型に-米政権が求める譲歩の例示へ
トランプ大統領(左)とラトニック商務長官
トランプ大統領(左)とラトニック商務長官 Photographer: Ken Cedeno/UPI

ラトニック米商務長官は8日、日本や韓国との通商協議について、トランプ大統領が同日発表した英国との枠組み合意に比べ、取りまとめにはるかに多くの時間を要する可能性があると語った。

  ラトニック氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「日本や韓国との間では多大な時間が必要で、取引は早急にはまとまらないだろう」と発言。日本などがトランプ政権に強く求めている関税措置の見直しには時間がかかる可能性を示唆した形だ。

  ラトニック氏はまた、初期の合意が各地域におけるひな型となり、関税措置の緩和と引き換えにトランプ氏が求めている譲歩の内容を示すことになるよう期待を表明した。「われわれはビジネスをどう進めるべきか枠組みを示そうとしている。そうすれば、もっと迅速に進められるだろう」と述べた。

  トランプ氏が先に打ち出した一律10%の基本税率が引き続き「譲れない線」だとラトニック氏は指摘。積極的に市場を開放しなければ多くの国・地域が一段と高率の米関税措置に直面することになるとコメントした。

  他方で、自動車や鉄鋼・アルミニウムの輸入に別途賦課した関税の引き下げに、どうすればトランプ氏が応じる可能性があるか、英国との合意が示すことになるともラトニック氏は語った。

  ラトニック氏はこのほかインドとの交渉を巡り、同国が「非常に積極的な姿勢を見せている」とし、次に合意に達する国の一つとなる可能性は「確かにある」としつつも、「非常に多くの作業を要する」と指摘した。

  その上で、インドと合意に至った場合には、恐らく約7000品目に上る関税の変更・修正になるとした上で、「とにかく時間と労力がかかる。少し時間を与えてほしい。急(せ)かしたり、無理に進めさせたりしないでほしい」と話した。

原題:Lutnick Warns South Korea, Japan Deals More Complicated Than UK(抜粋)