▽トランプ氏、日本に貿易巡る書簡送付へ 「コメ不足なのに米産受け入れず」<ロイター日本語版>2025年7月1日午前 7:11 GMT+9

David Lawder

トランプ氏、日本に貿易巡る書簡送付へ 「コメ不足なのに米産受け入れず」

[ワシントン 30日 ロイター] – トランプ米大統領は30日、日本との貿易交渉への不満を表明し、米国の関税措置を明記した書簡を各国・地域に送付する方針に基づき、日本にも書簡を送付すると述べた。

ベセント財務長官はこの日、貿易を巡る各国・地域との協議について、誠意を持って米国と交渉している場合でも、相互関税の上乗せ分の猶予期限となっている7月9日に大幅な関税引き上げに直面する可能性があると警告した。 もっと見る

トランプ氏は自身のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」に日本が米国産のコメの輸入に消極的なのは、各国が「米国に甘やかされている」ことを示していると投稿。「私は日本を大いに尊敬している。日本は米国のコメを受け入れていないが、深刻なコメ不足に陥っている。われわれは日本に書簡を送付するだけだ。今後長年にわたり日本を貿易パートナーとして持つことを楽しみにしている」と書き込んだ。

ただ、書簡にどのような条件が明記されるかについては言及しなかった。

トランプ氏は29日には日本との関税交渉に関連して、日本からの自動車輸入に比べて米国からの輸出が少ないのは「不公平だ」との認識を示していた。 もっと見る

トランプ氏は先週、7月9日までに政権が多くの国に関税率の引き上げを通知する書簡を送ると述べている。

ホワイトハウスのレビット報道官は30日、各国が誠意を持って交渉のテーブルに着かなければ、トランプ氏は貿易担当チームと協議し、各国の関税率を設定すると述べた。

ベセント氏はこの日、ブルームバーグテレビに対し、関税交渉延長の可能性についてはトランプ氏次第だと述べた。7月9日の猶予期限までに貿易協定が「立て続けに」締結されると予想していると言及。「誠意を持って交渉している国・地域もあるが、彼らが頑固な姿勢を崩さず合意に至らなければ、(相互関税が発表された)4月2日の水準に戻る可能性があることを認識すべきだ」とし、そうならないことを願っていると述べた。

▽EU、米国の一律関税案に応じる構え-重要分野では譲歩要求<bloomberg日本語版>2025年7月1日 3:14 JST

Jorge Valero、Alberto Nardelli

  • 医薬品や半導体などの重要分野では関税引き下げ確約求める-関係者
  • 米国案はやや不利なものの受け入れ可能と欧州委は認識と関係者

欧州連合(EU)は、米国との通商交渉で輸出品の多くに10%の一律関税を課す案を受け入れる用意があるが、医薬品、アルコール、半導体、商用航空機といった重要分野では米国に関税引き下げの確約を求めている。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。

  EUはまた、自動車・部品に対する25%の関税、および鉄鋼・アルミニウムに対する50%の関税についても、実質的に関税を引き下げるため割当枠や免除措置を引き続き求めているという。

  EUの行政執行機関である欧州委員会はEUの要求が一部反映された案について、やや米国寄りであるものの受け入れ可能とみていると、関係者が匿名を条件に語った。

  7月9日までに通商合意に至らなければ、EUのほぼ全ての対米輸出品の関税率は50%に引き上げられる見込み。

  欧州委の報道官にコメントを求めたが、すぐに返答はなかった。

  この報道を受けてS&P500種株価指数は一時12ポイント下落したが、その後持ち直した。

  ブルームバーグは先に、EUと米国の双方が7月9日までに暫定合意に達すると自信を深めていると報じていた。

  シェフチョビッチ欧州委員(通商担当)は今週、交渉前進を目指し訪米する予定。EU側は暫定的な原則合意を「最善のシナリオ」と引き続きみているが、このような暫定合意後の見通しについては明言を避けている。

  関係者によると、欧州委は6月30日、米国から関税と非関税障壁、戦略的協力分野に関する案を提示されたと加盟国に伝えた。具体的な税率などの詳細は共有されなかったという。

  交渉期限が迫る中、EU当局者が想定しているシナリオは以下の四つ。一定程度の不利な条件での合意、米国に大きく有利な内容でEU側が拒否、交渉継続のため期限延長、トランプ大統領が交渉を打ち切り関税引き上げ。

  関係者によると、最後のシナリオが現実となった場合、EUは全ての報復手段を行使する可能性が高いという。

  EUは交渉と並行して、交渉が不調に終わった場合の対抗措置の準備も進めている。

原題:EU to Accept Trump Universal Tariff But Seeks Key Exemptions (2)(抜粋)