高市政権が過半数割れしている参院の予算委員会できょう集中審議が行われる。今朝の読売新聞(Web版)を見ると集中審議で見込まれる主なテーマは①イラン情勢を受けた補正予算の編成②原油調達や医療物資の安定供給③海上自衛隊の掃海部隊のホルムズ海峡への派遣④首相が意欲を示す憲法改正ーとなっている。②から④は当然のテーマだろう。良識の府と言われる参院だ。イラン情勢が緊迫の度を強めている折だけに、日本としてこれからどう対応するのか、一国民としても気になるところだ。こうした中で違和感を感じるのは①の補正予算の編成問題だ。2026年度予算が成立したのは4月7日だ。3週間前である。いくらイラン情勢が不透明だとはいえ、本予算成立から1カ月もたったないうちに、新たな補正予算を急いで編成する必要はあるのだろうか。過去最大規模といわれた2025年度の補正予算(予算規模18兆円3034億円)が成立して、まだ4カ月しか経っていない。家計や経済の実態にどんな変化があるのだろうか。

前年度の補正予算が成立したのが昨年12月16日である。歳出の主な項目は①物価対策8兆9000億円、②成長投資6兆4000億円、③重点支援地方交付金2兆円などとなっている。物価対策は低所得者への支援金や電気・ガス料金を引き下げるための補助金などが主要な支出項目。野党が要求する補正予算の編成はイラン戦争の長期化に伴う物価高騰対策などが名目になっていると見られるが、補正予算に経費を計上すればそれで問題が解決するのだろうか。高市総理が主張する「責任ある積極財政」に対して野党は、国債増発懸念、円安に伴う物価上昇懸念を主張している。補正予算の早期編成を求めている野党の主張は、彼らの懸念を一段と加速するのではないか。補正予算というのは過去の実績を見る限り、年末の臨時国会で編成されるケースが多い。臨時国会それ自体が開催期間が短かい。その上補正予算が編成されたあとの審議は、衆参両院を含めて1〜2週間で可決されている。

熟議を求めている野党である。短期間の審議で本予算の5分の1の規模に達している補正予算を可決成立させている。補正予算の財源はほとんどが赤字国債でまかなわれる。日本の財政赤字は熟議なき国会が生み出した、個人的にはそんな疑念すら抱いている。補正予算については、参院での予算審議の最終局面で国民民主党が主張した経緯がある。これを認めれば予算案に賛成するとの条件闘争に乗り出したのだ。国民民主に限らんず今度は参院野党第1党である立憲民主がこの案を持ち出した。これは立憲民主と国民民主の統合への序曲なのか。根拠のない妄想さえ頭の片隅に浮かんでくる。高市政権は補正予算の編成を辞めようとしている。2027年度予算の編成に向けて、水面下ではすでに与野党の駆け引きが始まっているのかもしれない。26年度の本予算には1兆円の予備費が計上されている。前年度未消化分の予備費8000億円もすでに物価対策に組み込まれている。なぜいま補正予算の編成要求なのだろうか・・・。