Saad Sayeed, Ariba Shahid, Steve Holland

[イスラマバード/ワシントン 25日 ロイター] – トランプ米大統領は25日、イランとの紛争終結に向けた協議のために予定していたウィットコフ中東担当特使らのパキスタンへの派遣を中止した。イランのアラグチ外相はパキスタンの首都イスラマバードでシャリフ首相らと会談した後、出国し、2回目の直接協議は実現しなかった。和平の見通しが一段と不透明になった。
米ホワイトハウスのレビット報道官は24日、ウィットコフ氏とトランプ氏の娘婿ジャレッド・クシュナー氏がアラグチ外相と協議を行うために25日にイスラマバードを訪問すると発表していた。
トランプ氏はワシントンへの帰路に就くために大統領専用機に搭乗する前、フロリダ州で記者団に対し、イスラマバードでの協議は移動の手間や費用がかかりすぎることに加え、イランの最新の和平案が自分にとって十分ではなかったため、派遣を中止したと説明。特使らの派遣中止後にイランは提案を改善してきたが、「十分ではない」と主張した。
SNS(交流サイト)への投稿では、イラン指導部に「とてつもない内紛と混乱」があると指摘した。
「誰がトップなのか、彼ら自身も含めて誰も分かっていない。われわれは全てのカードを握っており、彼らには何もない! 話したいなら、電話すればいいだけだ!!!」と投稿した。
トランプ氏の表明に先立ち、パキスタンを訪問していたアラグチ氏は一連の協議を終えて出国した。イランメディアは、「2国間関係と地域情勢について協議し、意見を交換するため」アラグチ氏がオマーンの首都マスカットに向かったと報じた。
アラグチ氏は、パキスタン訪問は「非常に実りあるものだった」とSNSに投稿。「停戦および戦争の完全な終結に関する最新の動きについて、わが国の原則的な立場を説明した」とした上で「戦争を恒久的に終結させるための実効性ある枠組みに関するイランの立場を伝えた。米国が外交に本当に真剣に取り組んでいるかどうか、なお見極めが必要だ」と語った。
シャリフ首相はXへの投稿で、イランのペゼシュキアン大統領と地域の安全保障情勢について電話協議し、パキスタンが「誠実かつ真摯な仲介者として、恒久的な平和と持続的な安定の実現に向けて全力で取り組む」と伝えたと明らかにした。
イラン政府の声明によると、ペゼシュキアン大統領はシャリフ氏に対して、イランは脅迫や封鎖の下での「押し付けられた交渉」には応じないと強調。米国はまずイランの港湾封鎖を含む「障害」を取り除き、問題解決のための土台を築くべきだとの立場を示した。
イスラマバードのイラン外交筋は、米国の協議における姿勢に対する懸念について、ロイターに「原則として、イラン側は過大な要求を受け入れない」と語った。
こうした中、イスラエルのネタニヤフ首相はレバノンに拠点を置く親イラン武装組織ヒズボラの拠点を「強力に」攻撃するよう軍に命令。イスラエル・レバノンの停戦合意も試練にさらされている。