• トランプ氏は特使派遣中止-脅しが続く限り交渉に入らずとイラン
  • イラン外相、ロシア訪問して戦争終結の条件を伝える見通し-IRNA
トランプ大統領は特使団のパキスタン訪問を中止
トランプ大統領は特使団のパキスタン訪問を中止Photographer: Aamir Qureshi/AFP/Getty Images

Arsalan ShahlaDan Strumpf

イラン戦争を巡る和平協議再開に向けた動きが停滞している。トランプ米大統領は特使の派遣を中止する一方、イランは脅しが続く限り交渉には入らない姿勢を示した。

  トランプ氏は25日、娘婿のジャレッド・クシュナー氏とウィトコフ特使に対し、パキスタン訪問を見送るよう指示。一方、イランのペゼシュキアン大統領は「脅しや封鎖で押し付けられる交渉」には応じないと表明した。

  4月前半以降、停戦はおおむね維持されているが、両国はホルムズ海峡で封鎖措置を続けており、主要なエネルギー輸送の要衝は事実上通航不能となっている。世界の原油輸送の約5分の1に影響が及ぶ混乱は、国際エネルギー機関(IEA)によって史上最大の供給ショックと呼ばれ、今回の戦争は世界経済見通しの下方修正を招いている。

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イスラマバードのセレナ・ホテル近くで警備に当たる警察関係者(4月25日)Photographer: Aamir Qureshi/AFP/Getty Images

  トランプ氏はSNSに「移動にあまりにも多くの時間が浪費される」と投稿。「その上、イランの『指導部』内では激しい内紛と混乱がある。誰が責任者なのか、彼ら自身も分かっていない」と書き込んだ。「話したいのであれば、電話すればいいだけだ!!!」と記した。

  イランのアラグチ外相は25日にパキスタンで仲介者らと会談した後、イスラマバードを離れた。SNSへの投稿で、「米国が外交に本気で取り組むかどうかまだ見極める必要がある」と説明した。

  アラグチ氏は26日にはオーマンを訪問し、ハイサム国王と会談した。その後、イスラマバードに戻ったとイラン国営通信(IRNA)通信が伝えた。

  アラグチ氏は同日、カタールとサウジアラビアの外相とも協議した。IRNAによると、パキスタン訪問後はロシアへ向かう意向だという。

  アラグチ氏は戦争終結に向けたイラン側の条件を伝える見通しで、ホルムズ海峡を巡る新たな法的枠組みや封鎖の解除、被害補償、さらなる軍事行動を防ぐ保証などが含まれると、準国営メディアであるタスニム通信が報じた。核問題については協議しない方針だという。

  米中央軍によると、米軍は25日にイランのエネルギー輸出封鎖の一環として、アラビア海で制裁対象船の航行を阻止した。海軍ヘリコプターを投入し、この船舶に接近して引き返すよう指示した後、同船は米軍の指示に従った。封鎖開始以降、計37隻が進路変更を余儀なくされている。

  これに対し、イランも「蚊の艦隊」と呼ばれる小型武装艇を用いてホルムズ海峡の封鎖を行っている。通航量は2月28日の戦争開始前に1日当たり約135隻だったのに対し、現在はゼロに近い。

  米国は海上封鎖の継続で圧力を強め、イラン政府に交渉に応じさせ、戦争終結に持ち込もうとしている。この戦争では主にイラン国内で5000人以上が死亡している。

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原題:US-Iran Peace Talks Stall as Conflict Nears Two-Month Mark (3)(抜粋)