- ハイテク決算や主要中銀の決定を控え、S&P500は午後にプラス圏浮上
- 米国債入札は全般的に堅調、ドル指数は続落-ブレント108ドル台

Rita Nazareth
27日の米株式市場では、S&P500種株価指数が続伸し、過去最高値を更新した。週内には大手ハイテク企業の決算発表を控えている。イラン戦争が経済に及ぼす影響や主要中央銀行による金融政策決定を見極めたいとのムードが広がる中、同指数は午後に入ってプラス圏で推移した。
| 株式 | 終値 | 前営業日比 | 変化率 |
|---|---|---|---|
| S&P500種株価指数 | 7173.91 | 8.83 | 0.12% |
| ダウ工業株30種平均 | 49167.79 | -62.92 | -0.13% |
| ナスダック総合指数 | 24887.10 | 50.50 | 0.20% |
S&P500種は今月、新型コロナ禍以降で最大の月間上昇率となる見通し。北海ブレント原油は続伸し、1バレル=108ドル台を付けた。
地政学情勢に明確な見通しが得られない中、市場はハイテク大手の決算発表に備えている。
29日にはアルファベットやマイクロソフト、アマゾン・ドット・コム、メタ・プラットフォームズが、翌30日にはアップルがそれぞれ決算を発表する。
ナベリア・アンド・アソシエーツのルイス・ナベリア氏は、「足元の相場上昇が人工知能(AI)関連の強さに支えられていることからすると、ハイテク7社の『マグニフィセント・セブン』による見通しや投資計画が、勢いを持続できるかどうかの鍵を握る」と述べた。
ホワイトハウスのレビット報道官によると、トランプ米大統領は国家安全保障担当の高官らと会合を開き、イランからの提案について協議した。
イランのアラグチ外相はロシアを訪問。プーチン大統領との会談で、両国関係は戦略的パートナーシップを反映しており、今後も強化されていくとの認識を伝えた。イランの国営ヌール通信が伝えた。
米ニュースサイトのアクシオスによると、イランはホルムズ海峡を再開し、米国も海上封鎖を解除するという暫定合意の受け入れに前向きな姿勢を示している。
ウルフ・リサーチのクリス・セニェック氏は「イランに関する報道が引き続き強弱入り交じる中、投資家の関心は今週、個別企業の業績に移っていくとみている」と指摘。「今週は重要な市場データが『大量に』出てくる」と述べた。
今週会合を予定する主要中銀はいずれも政策金利を据え置くとみられているが、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長や欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁らが、原油供給混乱によるインフレリスクをどの程度懸念しているか、市場はその兆候を探ろうとしている。
BMOキャピタル・マーケッツのイアン・リンジェン氏は「記者会見のトーンは、様子見という慎重姿勢を強調するものになるだろう」と指摘。その上で「FRBがその認識を全面的に伝える可能性は低いものの、エネルギーショックの影響についてFRBがより明確な見解を示すことを投資家が期待する局面に近づいている」と述べた。
米国債
米国債相場は原油価格の上昇を背景に、下落(利回り上昇)した。この日実施された入札では、5年債がやや不調だったが、全般的には需要の改善が見られた。
| 国債 | 直近値 | 前営業日比(bp) | 変化率 |
|---|---|---|---|
| 米30年債利回り | 4.94% | 3.7 | 0.75% |
| 米10年債利回り | 4.34% | 3.7 | 0.86% |
| 米2年債利回り | 3.80% | 1.7 | 0.44% |
| 米東部時間 | 16時53分 |
米国とイランが戦争終結の協議を巡って膠着(こうちゃく)状態にあることを受け、利回りは全ての年限で上昇。10年債利回りは一時4.34%を上回った。こうした状況下で、2年債(690億ドル規模)と5年債(700億ドル規模)の入札は一定の需要を集めた。
28日には7年債入札(440億ドル規模)が予定されている。
市場の関心は28、29日の連邦公開市場委員会(FOMC)会合に移っている。中東の緊張で原油相場が高止まりする中、投資家はFRBのインフレ見通しに関する手掛かりを探ろうとしている。
米上院銀行委員会は、ウォーシュ次期FRB議長候補を本会議での採決にかけるための投票を29日に行う予定だ。
ブランディワイン・グローバル・インベストメント・マネジメントのポートフォリオマネジャー、ジャック・マッキンタイア氏は「イランと米国に関するニュースや経済データ、主要企業の決算発表と、今週は相場を動かし得る要素が重なる珍しい状況だ」と指摘。「FRBが市場の期待をどちらかの方向に誘導するハードルは高い」と述べた。
外為
外国為替市場ではドル指数が続落。米国とイランの和平協議再開に向けた動きが停滞し、原油相場が上昇する中で軟調に推移した。
| 為替 | 直近値 | 前営業日比 | 変化率 |
|---|---|---|---|
| ブルームバーグ・ドル指数 | 1195.88 | -0.98 | -0.08% |
| ドル/円 | ¥159.39 | ¥0.01 | 0.01% |
| ユーロ/ドル | $1.1722 | $0.0000 | 0.00% |
| 米東部時間 | 16時53分 |
ブルームバーグ・ドル・スポット指数は一時0.3%下落し、その後に下げを縮小する展開だった。
バンク・オブ・ナッソー1982のチーフエコノミスト、ウィン・シン氏は「イラン紛争が膠着(こうちゃく)状態にある中、原油価格が高止まりしている」と指摘。
「紛争が6月または7月まで長引く場合、市場は世界経済にとって『悪い』シナリオを織り込まざるを得なくなる。それは好ましいことではない」と述べた。
円は対ドルで一時159円10銭近辺まで上昇する場面もあったが、ニューヨーク時間の午後に入って小幅に下げ、159円40銭台での推移となった。
シティグループのアナリストである高島修、ダニエル・トボン、ブライアン・レビン各氏は今週の日銀会合について、「今会合で政策金利が据え置かれたとしても、円安のさらなる進行や後手に回るリスクへの懸念を踏まえると、タカ派的な据え置きとなる可能性が高い」とリポートで指摘。「タカ派度合いを見極めるため、各メンバーの投票行動を注視する」と述べた。
また、「日銀が今週の会合で政策を据え置けば、ドル・円は160円を上回る可能性が高い」と予想した。
ポンドは対ドルでほぼ変わらず。
投資家はポンドに対し、より慎重な姿勢を取り始めている。オプション市場では今週の中銀会合、5月7日にある英国の地方選挙、中東での戦争の影響という3つの要因を巡るリスクに焦点が当てられている。
原油
原油相場は上昇。イラン戦争をめぐる和平協議再開を目指す取り組みが行き詰まり、ホルムズ海峡は事実上封鎖された状態が続いている。供給混乱が長期化するとの見方から、原油価格は上昇した。
米指標原油のウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物は2%以上上昇し、1バレル=96ドルを上回って引けた。北海ブレント原油は108ドル台で取引を終えた。ホワイトハウスのレビット報道官は、トランプ大統領がこの日、イランの提案を協議するため国家安全保障担当の高官らとの会合を開いたと記者団に明らかにした。
27日に相次いだ報道は、米国とイランの交渉担当者の認識の隔たりが依然として大きいことを浮き彫りにし、早期の解決は見込みにくいとの見方を強めた。週末にはトランプ氏が、仲介役を担うパキスタンへの高官代表団の訪問計画を取りやめた。一方、イランは脅威にさらされている限り交渉には応じないと表明した。
停戦は4月初旬以降おおむね維持されているが、米国とイランの双方によるホルムズ海峡の封鎖により同海峡を通過する船舶数はほぼゼロ近くまで落ち込んだ。供給ショックによって原油や石油製品、天然ガスの供給が滞り、インフレ危機への懸念が高まっている。
BOKファイナンシャル・セキュリティーズのトレーディング担当シニアバイスプレジデント、デニス・キスラー氏は、米国は引き続きイランの核能力放棄を重視しており、短期的に和平合意が成立する可能性は低いと指摘。「原油価格は先物曲線の期先で一段と高くなっており、供給逼迫(ひっぱく)が長期化するとの見方が強まっている」と述べた。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物6月限は、前営業日比1.97ドル(2.1%)高の1バレル=96.37ドルで終了。北海ブレント先物6月限は2.9ドル(2.8%)上昇し108.23ドルで終了した。
金
金相場は下落した。米国とイランの和平交渉再開に向けた動きが行き詰まる中、世界市場を混乱させインフレリスクを高めている戦争は開始から2カ月を迎えた状況にある。
金スポットは、1オンス=4700ドルを下回った。米アクシオスの報道によると、イランはホルムズ海峡の再開を巡る新たな提案を米国に提示する一方、核開発計画に関する交渉は先送りする姿勢を示した。週末には、トランプ米大統領が高官代表団によるパキスタン訪問計画を取りやめ、イランは脅威にさらされている限り交渉には応じないと表明した。
ペッパーストーン・グループのリサーチストラテジスト、ディリン・ウー氏は、「より持続的な海峡再開、あるいは和平合意に向けた信頼できる道筋が見えない限り、金価格の上昇が再び見られても一時的なものにとどまり、価格はレンジ内での推移が続く可能性が高い」と述べた。

MKS PAMPの金属戦略責任者ニッキー・シールズ氏は、「金はテクニカル的に方向感のない領域にある。確信は乏しく、大口の資金配分は様子見が続き、現物需要もまちまちだ。現在の市場を最も正確に表す言葉は『迷走している』だろう」と指摘した。
スポット価格はニューヨーク時間午後2時8分現在、前営業日比28.41ドル(0.6%)安の1オンス=4681.09ドル。 ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物6月限は47.20ドル(1.0%)安の4693.70ドルで引けた。
原題:Stocks Hold Record in Countdown to Tech Earnings: Markets Wrap(抜粋)
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