
時の首相が面会や国会答弁に割く時間を見直し、政策判断や首脳外交といった「首相にしかできない仕事」に集中できる環境を整えるべきだ―。
小倉将信元こども政策担当相が所長を務める民間シンクタンク「NXJIリサーチ」は、首相の時間の使い方に関する提言をまとめた。首相の時間を「国家にとって希少な統治資源」と位置付け、国会答弁を党首討論に集約することなどを求めた。
24日に公表された提言は、自民党の岸田文雄元首相や民主改革の会の野田佳彦元首相、官邸関係者への聞き取りに加え、過去15年分の首相の面会記録や外国の制度を分析した。野田政権以降の歴代政権は年間約2000件の面会に対応しており、与党からの提言受け取りや企業、業界団体との面会は増加傾向にあるという。
国会答弁7時間の日も
特に問題視したのが国会対応だ。2022年前後の会期で首相や大統領が議会で発言した日数は、日本が72日だったのに対し、英国50日、ドイツ13日、米国1日だった。政治制度が異なるため単純比較はできないが、日本では首相が1日7時間にわたって国会答弁することもあるとして、「世界的に見ても極めてまれだ」と指摘した。
さらに、面会など首相が対応すべき案件を厳選する基準を設け、日程管理のノウハウを官邸内で継承するよう求めた。予算委員会を含む各委員会への首相出席は原則不要化しつつ、党首討論を定例化することも盛り込んだ。
ハウスキーパー導入も提言
また、首相指名前に準備期間を設けて官邸のマネジメント体制を強化するほか、公邸に料理人やハウスキーパーを導入し、首相が公務に専念できるサポート体制の構築も提案した。首相個人の体力や工夫に依存する官邸運営から脱却し、政策決断や危機管理、首脳外交に充てる時間を確保する狙いがある。
小倉氏は産経新聞の取材に対し、「政権交代が起きれば現在の野党もこの問題に直面する。党派を問わず議論するきっかけになれば」と話す。NXJIリサーチは今年3月に創設されたシンクタンク。今後も定期的に提言を発表する方針だ。(竹之内秀介)