参院自民党は29日、幹部人事後初となる執行部会を国会内で開き、新執行部が本格稼働した。石井準一・前幹事長の交代劇によるしこりを解消して融和を図りながら、少数与党の国会運営に臨む。臨時国会の召集は10月5日に迫っており、新執行部の手腕が早速試されることになる。(北村友啓)

 「少数与党という大変厳しい国会情勢でも参院自民が一致結束し、高市内閣を支えて、政策を前へ進めていく」

 松山政司参院議員会長は執行部会後の記者会見の冒頭、こう強調した。

 あえて「結束」に言及したのは、今回の幹部人事の影響を危惧したためだ。松山氏は参院自民内に一定の影響力を持つ石井氏を幹事長から外した。首相官邸の意向をくみ取ったとみられている。ただ、これに同氏に近い議員から不満の声が漏れており、こうした議員らが執行部から距離を置き、投票行動で足並みの乱れが生じるのではないかと不安視する声が出始めている。

 後任に起用した青木一彦氏は石井氏と同じ旧茂木派の出身で、松山氏が同派のつなぎ留めを図ったとみる向きもある。参院自民は従来、旧茂木派と旧岸田派、旧安倍派による「3派連合」が運営の主導権を握っており、松山氏は今回の人事でこれを踏襲した。さらに、ともに麻生派の藤川政人・参院予算委員長を議院運営委員長に、後任の予算委員長に有村治子・前総務会長をそれぞれ起用し、同派の取り込みも図って挙党態勢を敷く。

 臨時国会では消費税減税の関連法案や衆院議員定数削減法案といった重要法案の審議が控えている。いずれも与野党対立が避けられず、野党や無所属議員の協力を取り付けるには、よりハードルが高い。これまで野党対策を主に取り仕切ってきた石井氏を欠く布陣で少数与党の難局にあたることになる。

 一方で、新執行部には高市首相の期待が重くのしかかる。首相の意向に従って審議を急げば、野党の反発を招くのは必至だ。石井氏が野党への配慮にこだわったのは、与野党協調が参院の独自性だからでもある。自民ベテランは「新執行部は首相と野党の板挟みになるのではないか」と指摘する。

 青木氏はこの日の記者会見で、「大変厳しい国会運営となることが想定されているが、丁寧に粘り強く調整を行い、責任をしっかりと果たしたい」と語った。