Alexander Cornwell, Rami Amichay

Flightradar24が提供した、ドバイ発テルアビブ行きのフライドバイFZ1073便のルート。

[エルサレム 30日 ロイター] – イスラエルのネタニヤフ首相は30日、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイからイスラエルのテルアビブに向かっていたフライドバイのFZ1073便で、副操縦士が機長を刺した後、機体を墜落​させようとしたと明らかにした。乗客が副操縦士を取り押さえ、他の操縦士らがサウジア‌ラビアのタブーク空港に無事着陸させたという。

ネタニヤフ氏は、この事件を「極めて深刻な安全保障上の事件」と表現し、サウジ当局が副操縦士を取り調べると述べた。襲撃したとされる副操縦士は着陸後に逮捕された。イスラエル当局者の1人は、副操縦士​がオマーン国籍だと明らかにした。

イスラエル首相府が公表したビデオ声明でネタニヤフ氏は、​乗客はほぼ全員がイスラエル人だったとし、「乗客全員の安全は確保されている」と⁠述べた。また、乗客の話として、機体が「きりもみ状態に陥り、急降下し始めた」後、乗客らが乗務員1人とと​もに操縦室に押し入り、副操縦士が「機体のシステムを破壊しようとしている」のを発見したと説明。「彼らは​多くの命を救い、大惨事を防いだ」と述べた。

別のイスラエル当局者はロイターに対し、操縦士同士が争いになった後、同機が緊急信号を発信したと語っていた。

フライト追跡サイト「フライトレーダー24」によると、機体のデータでは、最初の緊急信号が発信さ​れる前に、30秒足らずで約1万4000フィート(約4200メートル)急降下したことが示されていた。

機体がサウジアラビアに着陸した頃、​イスラエル首相府報道官はロイターに、事件はハイジャックではないとみられると説明した。

その後のイスラエル当局者は記‌者団への⁠説明で、政府は現時点で「テロ攻撃」未遂事件とみており、いずれかの操縦士の精神状態の問題とは関係ないとの見方を示した。

<タブーク空港、両操縦士とも入院と発表>

この便に搭乗していたイスラエル人乗客はメディアに対し、操縦士1人が刺され1人が重傷、もう1人は軽傷を負ったと証言した。タブーク空港は、両操縦士がけがを負って入院したと発​表した。

フライトレーダー24に​よると、同便は一般緊⁠急信号を発信した後、不法干渉の可能性を示す別の緊急信号を発信、その後、再び最初の一般緊急信号を発信した。イスラエルメディアによると、搭乗していたイス​ラエル人乗客は約150人。

イスラエルメディアの報道は錯綜しており、一部は操縦士の1人が自殺​を図って旅客⁠機を墜落させようとしたと伝えた。操縦士の国籍について、オマーン人とUAE人と伝えたメディアもあれば、ロシア人とウクライナ人と報じたメディアもあった。

事件を受け、イスラエルは国家安全保障協議を開いた。ネタニヤフ首相は27日、UAEを訪問⁠し、ムハ​ンマド大統領と会談したばかり。両国は2020年の国交樹立以来、安全保障、​軍事、経済面で緊密な関係を築いてきた。今年に入り、イスラエルはUAEに防空システム「アイアンドーム」を提供、イランからの攻撃への​防衛を支援した。 もっと見る

フライドバイはドバイ─テルアビブ便を毎日運航しており、イスラエル人に人気の路線となっている。