高木 克聡

サイバー攻撃の一部に中国系のAIのソフトウエアが悪用された可能性があること伝える、GMOインターネットグループ傘下のセキュリティー会社のホームページ

国内での不正アクセス被害の発覚が止まらない。9月から10月にかけて、日本や韓国を狙った大規模なサイバー攻撃があったとみられ、中国系の人工知能(AI)のソフトウエアが悪用された可能性も浮上している。専門家は犯行グループの細分化を指摘しており、実態把握はますます困難になりそうだ。

「今回の攻撃はどうやら中国の方かららしい」

あるサイバーセキュリティー大手の幹部は声をひそめた。

カーシェアサービス「タイムズカー」が9月下旬に運転免許証の情報などの流出を発表したのを皮切りに、大手報道機関や物流、金融などの基幹インフラ、百貨店や大手飲食チェーンなど生活に密接するサービスを提供する企業でも同様の被害が相次いだ。デジタル庁や岡山、神奈川、福岡県警など、サイバー防御に携わる官公庁も攻撃の標的にされた。韓国でも主要銀行を含む金融機関が狙われた。

GMOインターネットグループ傘下のセキュリティー会社は、日本企業への攻撃に中国系AIソフト「ARTEX」が悪用されていることを突き止めた。米セキュリティー大手のクラウドストライクは韓国で起きたサイバー攻撃が中国語で指示されていたことを明かしている。

ただ、世界中の電子機器を踏み台にして痕跡を隠そうとする攻撃者の特定は困難を極める。