Steve Holland, Ryan Patrick Jones

[ワシントン/キーウ/モスクワ 23日 ロイター] – 米ホワイトハウスは23日、トランプ米大統領のメラニア夫人が、ロシア占領下にあるウクライナ南部ヘルソン州オレシュキでの停戦合意をロシアとウクライナの間で取り付けたと発表した。停戦は29日に開始する。ロシアとウクライナもオレシュキでの停戦合意を確認した。
オレシュキは2022年2月からロシア占領下にあり、食料支援が滞るなどして住民の人道危機が深刻化。ホワイトハウスの声明によると、ロシアとウクライナは人道支援物資の搬入と、指定された安全な回廊を通した民間人避難の準備を可能にするため、オレシュキでの全ての軍事行動を一時停止することで合意した。
メラニア氏は声明で「オレシュキの状況は極めて深刻だ。オレシュキは最前線の戦闘地域で、壊滅的な事態の瀬戸際にある。現地に残る住民の大半は高齢者で、医療支援や医薬品、食料、清潔な水を緊急に必要としている」とした。メラニア氏によると、停戦期間中はロシアとウクライナ両国の非軍事チームが住民宅を訪問し、ロシアまたはウクライナへの避難を希望する住民の移送を調整する。このプロセスを記録するために米国の報道機関が同行するとしたが、具体的にどの報道機関が同行するかは明らかにしなかった。
<ロシア、ウクライナ停戦合意確認>
ウクライナのアラハミヤ首席交渉官は、オレシュキでの停戦が近く実施されると確認。通信アプリ「テレグラム」への投稿で、オレシュキと周辺地域からの避難と食料配送のために恒久的な人道回廊を設置する作戦を近く開始すると表明した。ただ、作戦の詳細は明らかにしなかった。
ロシア大統領府のペスコフ報道官も、米国の仲介でオレシュキを巡る局地的な停戦合意が成立したと確認。オレシュキからの退避を希望する全ての民間人に退避を認めるとし、避難には少なくとも数日かかるとの見通しを示した。オレシュキでの停戦についてはこのほど実施されたプーチン大統領とトランプ米大統領の電話会談でも協議されていたと述べ、停戦実現にメラニア氏が果たした役割を称賛。「人道作戦の調整に多大な貢献を果たしたメラニア夫人の尽力を歓迎する」と語った。
ペスコフ氏の発表を受け、ロシア軍のゲラシモフ参謀総長はオレシュキでの人道作戦を円滑に実施するため、ロシア軍は現地時間27日午前4時(日本時間同日午前10時)に攻撃を停止すると発表した。
メラニア氏はこれまでも、戦時中にロシアに連れ去られたウクライナの子どもたちを家族のもとに帰還させる取り組みに積極的に関与。声明によると、メラニア氏は代理人とともに、局地的な停戦条件を取りまとめるためにロシアとウクライナ両国の指導部と直接協議を行った。
オレシュキはドニプロ川を挟んでヘルソン州の州都ヘルソン市の対岸に位置している。ホワイトハウスによると人口は高齢者を中心に約1700─2000人と、ロシアによる全面侵攻前の約2万4000人から減少した。同州のカホフカ水力発電所のダムが攻撃によって破壊された後、 オレシュキの約90%が浸水したとされている。