[ニューヨーク 23日 ロイター] – 米国株式市場は続落。ダウ工業株30種は2日間で1000ドル超下落し、主要3指数の週間の下げ率はいずれも約2年ぶりの大きさとなった。米中貿易摩擦を巡る懸念が市場心理を圧迫したほか、週末を前にリスク回避の動きが強まった。

 グローバル・マーケッツ・アドバイザリー・グループのシニア市場ストラテジスト、ピーター・ケニー氏は「どのような貿易戦争になるのか懸念が広がっている。問題は急速にエスカレートしており、市場への大規模な向かい風となる恐れがある」と述べた。トランプ大統領は前日、中国が米国の知的財産権を侵害しているとして、最大600億ドル規模の中国製品に対し関税を課すことを目指す大統領覚書に署名。これに対し、中国側は最大30億ドルの米国からの輸入品を対象に関税を導入する計画を明らかにした。

ダウは1月26日につけた高値から11.6%値下がり。この日の終値は2月の世界株安以来の安値となる。S&P総合500種も一時主要抵抗線とされる200日移動平均に迫った。1月26日の高値からは9.9%値下がりしている。週間ではダウが5.67%、S&P総合が5.95%、ナスダックが6.54%それぞれ下落。いずれも2016年1月以来の大幅な下げ率を記録した。投資家の不安心理の目安とされるシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー・インデックス(VIX指数)は24.87に上昇し、終値としては2月13日以来の高水準となった。S&P金融株の下げがきつく、3%安。フェイスブック、アマゾン・ドット・コム、マイクロソフト、アルファベットなども売られ、ナスダックを圧迫。

マイクロン・テクノロジーの下げが主導し、フィラデルフィア半導体株指数は3.3%安。マイクロンの四半期業績を受け、NAND型フラッシュメモリー価格下落を巡る懸念が高まった。ニューヨーク証券取引所では、値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を3.96対1の比率で上回った。ナスダックも3.72対1で値下がり銘柄数が多かった。S&P総合500種構成銘柄をみると、2銘柄が52週高値を更新し、42銘柄が新安値を付けた。ナスダック総合構成銘柄では23銘柄が新高値を、93銘柄が新安値をそれぞれ更新した。米取引所の合算出来高は81.1億株。直近20営業日の平均は73億株。