イギリスで起きたロシアの元スパイの暗殺未遂事件を受けて、アメリカがロシアの外交官60人の追放措置を発表したのに対し、ロシア外務省は、同じ数のアメリカの外交官を追放する対抗措置をとることを明らかにしました。

アメリカは、今月26日イギリスで起きたロシアの元スパイの暗殺未遂事件を受けて、国内に駐在するロシアの外交官60人を追放するとともに、西部シアトルにあるロシア総領事館を閉鎖することを明らかにしました。

これに対しロシア外務省は29日、声明を発表し、ロシアに駐在するアメリカのハンツマン大使を外務省に呼び出し、モスクワにあるアメリカ大使館と中部のエカテリンブルクにある総領事館に勤務する合わせて60人の外交官を追放するとともに、第2の都市サンクトペテルブルクのアメリカ総領事館を閉鎖するよう通告したことを明らかにしました。

声明によりますと、アメリカの外交官は来月5日までに国外退去し、総領事館の建物は今月31日までに明け渡すよう求めたということです。この事件をめぐっては、ヨーロッパ各国も一斉にロシアの外交官を追放する措置を発表していますが、ロシアのラブロフ外相は29日、「他の国についても対抗措置をとる」と述べていて、欧米とロシアの対立は一段と深まっています。