アメリカのトランプ大統領は、日本時間18日朝早くから始まった安倍総理大臣との首脳会談で、北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)委員長との首脳会談を6月上旬までに開く考えを強調するとともに、日本人の拉致問題を提起する考えを明言しました。

17日午後(日本時間18日早朝)からアメリカ南部フロリダ州で始まった日米首脳会談で、トランプ大統領は「北朝鮮のキム・ジョンウン委員長との会談を楽しみにしているし、成功を望んでいる。行方を見てみよう。北朝鮮は、われわれに敬意を払っており、われわれも彼らを尊重している」と述べました。そして、「われわれは、拉致問題を取り上げるつもりだ。日本にとって、重要な事柄だと理解している」と述べ、米朝首脳会談で日本人の拉致問題を提起する考えを明言しました。

また、トランプ大統領は、北朝鮮との首脳会談について、「おそらく6月上旬か、うまくいけばその前だ」と述べました。そして、「われわれは、北朝鮮と、極めて高いレベルで、協議を進めている」と述べたうえで、首脳会談の開催地については、「5か所を検討している」と述べ、アメリカ以外の5つの場所を候補地として検討していることを明らかにしました。

同時にトランプ大統領は、米朝首脳会談について、「うまくいかないこともありえるし、会談を開かないこともありえる」と述べ、慎重な姿勢もにじませました。また、トランプ大統領は、今月下旬に予定されている南北首脳会談にもふれ、「韓国と北朝鮮が会談する。戦争状態の終結につながるのか見てみよう。私は願っている」と述べ、会談の成果に期待を示しました。

さらに、トランプ大統領は「北朝鮮問題で、日本とアメリカは、団結している」と述べ、日米両国が連携して、北朝鮮に対応していく考えを強調しました。一方、トランプ大統領は、日本との貿易について、「日本はアメリカから大量の軍の装備品を購入している。アメリカは、日本から大量の自動車などを購入している。貿易について、われわれはまだ話さなければならないことがある。安倍総理大臣もそのことを理解している」と述べ、アメリカの貿易赤字の削減に向けて、日本側にさらなる努力を促したいという考えも強調しました。