アメリカ東部メリーランド州の新聞社で5人が死亡した銃撃事件は、報道への個人的な恨みから新聞社が標的となったという見方が強まっていて、メディアに対する暴力への非難や銃規制の強化を求める声が高まっています。

28日にアメリカの東部メリーランド州のアナポリスにある新聞社「キャピタル・ガゼット」の編集室で5人が死亡した銃撃事件では、殺人の疑いで訴追されたジャロッド・ラモス容疑者(38)が報道に対する個人的な恨みを募らせ、新聞社を標的にしたとの見方が強まっています。

これについてパリに本部がある「国境なき記者団」は、「ジャーナリズムは、世界中で暴力の犠牲になっているが、その新たな悲劇の一つだ。記者を銃撃するという行為を強く非難する」とする声明を出しました。

またジャーナリズムの専門誌「コロンビア・ジャーナリズム・レビュー」は「地方メディアの編集室は警備も薄く、開かれているのが通常だが、今はリスクが高く要塞のように守るしかない」としたうえで、トランプ大統領がメディアへの攻撃を続ける中、こうした事件は懸念されていたと指摘しています。

一方、改めて銃規制強化を求める声も高まっていて、ことし2月の乱射事件のあと、銃規制の強化を求めてきた南部フロリダ州の高校生たちのグループは「こうした事件が日常的に起きない国にするよう活動を続けていく」とツイッターに投稿しました。