ソフトバンクなどが設立した国産AI(人工知能)を開発する新会社に、東芝や日立製作所、KDDI総合研究所など約15社が新たに出資の意向を示していることが分かった。新会社に参画することで、AI開発に自社の要望を反映させる狙いがある。AI開発を手がけるプリファードネットワークスやサカナAIも出資し、開発を担う方向だ。
AIの開発では米中が先行する。日本のAI開発企業とAIを利用する企業が一体となって最先端のAI開発に取り組むことで巻き返しを図る。新会社は最終的に、ロボットに搭載できる「フィジカルAI」の開発を見据える。製造業を中心に幅広い日本企業が集結し、生産の自動化などに活用することを目指す。
新会社「日本AI基盤モデル開発」に出資の意向を示しているのは他に、産業用ロボット大手のファナックや安川電機、ダイキン工業、発電大手JERA、旭化成、日本生命保険など。これとは別に富士通など10社超が出資を検討しているとみられる。出資企業は今後、さらに増える見通しだ。
海外のAIを利用すれば現場で蓄積してきたデータの提供を通じ、日本企業のノウハウが海外に流出するとの懸念がある。日本勢で優れた国産AIを開発、利用する体制を整えることでこうした事態を防ぐ狙いだ。新会社が開発したAIは日本企業に開放し、出資企業以外も使えるようにする方針。
新会社は今年に入って設立され、ソフトバンク、NEC、ソニーグループ、ホンダが中核企業としてそれぞれ十数%を出資した。経済産業省が所管する国立研究開発法人は、3月下旬から国産AIを開発する企業などを公募しており、新会社は応募している。経産省は採択された企業に2030年度までの5年間で総額1兆円を支援する方針だ。