【ニューヨーク=上塚真由】1年間を会期とする第73回国連総会が18日、米ニューヨークの国連本部で開幕する。来週初めからはトランプ米大統領ら各国首脳が参加するハイレベル会合が行われるほか、25日から6日間は首脳らが一般討論演説に臨み、世界の課題への立場を表明する。

非核化交渉が難航する北朝鮮問題のほか、イラン問題、長期化するシリア内戦問題などが主な議題となる見通し。日米首脳会談など2国間協議も多数行われる予定で、就任2年目に入ってもトランプ政権が米国第一主義に傾く中、どこまで国際課題の事態打開につなげられるかが焦点となる。

米国国連代表部によると、米国は24日、蔓延(まんえい)する薬物問題の閣僚級会合を開催。26日にはトランプ氏が議長を務め、大量破壊兵器の不拡散に関する安保理会合を主催する。ヘイリー米国連大使は当初、「イランの安保理決議違反」を協議すると説明したが、北朝鮮やシリア問題なども含めて幅広く議論される見通し。

米国が8月に国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)への資金拠出を中止した問題を受けて、UNRWA支援の閣僚級会合も27日に開催予定。日本の河野太郎外相が共同議長となる方向で調整が進んでいる。

また、フランスは26日に地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」推進に向けた首脳級会合をニューヨーク市内のホテルで開く。トランプ政権の協定離脱を受けた会合で2度目の開催。国連と世界銀行などと共催し、官民一体で温暖化対策の議論を盛り上げたい考えだ。

26日には世界で猛威を振るう結核の終息を目指したハイレベル会合が開かれ、日本が共同議長を務める。