アメリカのトランプ大統領が連邦最高裁判所の判事に指名したカバナー氏について、議会上院の司法委員会は28日、採決を行い、賛成多数で承認しました。ただ与党 共和党の議員がカバナー氏の過去の性的暴行の疑惑に関してFBI=連邦捜査局が調べる必要があると主張し、上院本会議での最終的な承認は遅れる可能性も出ています。

トランプ大統領はことし7月に、連邦最高裁判所の新しい判事に保守派の法律家、カバナー氏を指名しましたが、過去にカバナー氏に性的暴行を受けたという女性の告発が相次ぎ、議会で審議が行われてきました。野党 民主党がFBIによる詳しい調査を求めるなど反発を強める中、議会上院の司法委員会は28日、採決を行い、賛成11、反対10で指名を承認しました。

これにより上院の本会議で採決が行われることになり、共和党指導部は週明けにも最終的な承認を得たい考えです。

ただトランプ大統領と距離を置く共和党議員1人が、委員会では賛成票を投じたものの、本会議での採決前にFBIが1週間ほどかけて性的暴行の疑惑を調べる必要があると主張し、最終的な承認は遅れる可能性も出ています。

議会上院は現在、与党 共和党が51議席、野党 民主党の会派が49議席と与野党の差は2議席だけで、FBIの調べが実現するかとともに、本会議で共和党の議員が一致してカバナー氏の指名を承認するかが大きな焦点となっています。

トランプ大統領「上院に任せる」

トランプ大統領はカバナー氏の今後の承認手続きについて記者団に「議会上院に任せている。彼らが判断するだろう。とてもよい仕事をしてくれている」と述べ、速やかに承認されることに期待を示しました。