シリアで解放され、トルコ南部アンタキヤの入管施設で地元当局者らと面会する安田純平さん=24日(ハタイ県提供)

【アンタキヤ(トルコ南部)時事】内戦下のシリアで武装勢力に拘束され、23日に解放が発表されたフリージャーナリストの安田純平さん(44)とみられる男性をめぐり、河野太郎外相は24日、記者団に対し、安田さん本人であると確認したことを明らかにした。河野外相は安田さんの健康状態について「一見するといいようだ」と指摘した上で、「最終的に健康状況を見た上で、なるべく早い方法で日本に帰国していただく」と述べた。

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 安田さんはシリアから隣国トルコに入国し、南部ハタイ県アンタキヤの入管施設で保護。現地に派遣された在トルコ日本大使館の職員が24日、安田さんの本人確認を行った。その後、安田さんを乗せたとみられる車が入管施設を出発し、空港に到着した。
一方、ハタイ県当局は24日、安田さんを撮影した約20秒の動画を公開した。安田さんは英語で、「私の名前は安田純平で、日本人記者だ」と名乗り、「シリアで40カ月拘束されていて、今はトルコにいる。安全な状況にある」と話した。同日午前(日本時間同日夕)の撮影だという。

今回の解放をめぐっては、シリア反体制派を支援してきたカタールが交渉の仲介役を担ったとみられる。安倍晋三首相は24日、記者団に対し「カタール、トルコには大変な協力をしていただいたことに感謝申し上げたい」と表明。カタールはイスラム過激派組織にも影響力を持ち、安田さんと一緒に拘束されていたとみられるスペイン人記者が2016年5月に解放された際にも協力していた。

ジャーナリストの安田純平さんが保護されているトルコ南部アンタキヤの入管施設=24日

身代金支払いの有無については明らかになっていない。日本政府は「支払ったという事実はない」(菅義偉官房長官)と否定。ただ、武装勢力は身代金を要求していたとの情報もあり、在英のシリア人権監視団は解放に際して「多額の身代金が支払われた」と主張した。
安田さんは15年6月、取材目的でハタイ県アンタキヤからシリア北部イドリブ県に徒歩で密入国し、直後に武装勢力に拘束されたとみられている。16年3月に初めて、安田さんとみられる男性の動画がインターネット上に投稿され、それ以降も複数回、同様の画像や動画が確認された。今年7月に公開された動画では、安田さんとみられる男性が「とてもひどい環境にいます。今すぐ助けてください」と訴えていた。